STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

CFOの仕事について聞いてみた。投資家からお金を預かるためにしていること【ep.14 #論より動くもの .fm】

CTO 藤村がホストするPodcast、論より動くもの.fmの第14回を公開しました。今回はCFO 齋藤と共に、CFOの仕事とエンジニアとアートの共通点について話しました。

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テキストで読みたい方は下記からご覧ください。

CFOって何をする人なんですか?

藤村:論より動くもの.fmです。論より動くもの.fmは、STORES を運営するSTORES 株式会社のCTO 藤村が技術や技術にまつわること、その他のことについてざっくばらんにお話しするPodcastです。今日はCFOの齋藤さんに来てもらいました。齋藤さん、よろしくお願いします。

齋藤:よろしくお願いいたします。

藤村:簡単に面白い自己紹介を。

齋藤:藤村さんに齋藤さんって言われたのがこそばゆくて、ちょっと内輪ネタで恐縮なんですけど、社内ではなぜかゴロスって呼ばれてまして、齋藤さんって呼ばれると逆に違和感が生まれてしまうのは面白いなって思ってました。

藤村:じゃあ今日もゴロスさんにしよう。

齋藤:お願いします。それでいきましょう。

藤村:論より動くもの.fmって、基本的にエンジニアの方が多く聞いてくださっていて、CFOってそもそも何してんのみたいなところを今日伝えることができたらいいなと思ってたんですけど。

齋藤:深いっすね、深いな。

藤村:CFOって何する人なんですか?

齋藤:僕自身もCFO道を今勉強中で、日々奥が深いなと思いながらやっているんですけど。いくつかのファクターはあるとは思っていて、特にベンチャーとかスタートアップ未上場会社と、上場後の会社だと、結構大きく分かれるんじゃないかなと思ってます。

1つ目は株式市場または投資家のステークホルダーマネジメントが大きいファクターですね。未上場であったとしても環境は変わってきたので、投資家さんからお金を集めるっていうことができるようになってきた。一方で、既存の投資家の方々に対して説明責任をはたすことの両方をやらないといけないです。将来的なポテンシャル投資家とのリレーションシップを維持すること、既存の方々に対して期待値コントロールする中で我々の会社をちゃんと理解してもらって、もっとサポートしてもらえるようにリレーションシップをマネージするというのがまず大きい1つ目です。

2つ目としてはお金を預かる立場にあるので、いただいたお金を投資家さんの期待値と一定沿う形で効率的にちゃんと事業が伸びているのか。我々としてはJust for Funのミッションを実現するためにお金を預かっているので、それが無駄にならないように使うこと。一方で投資家さんと約束した範囲で、大胆に使うところは大胆に使わせていただくというところをきちんと担保する。そのために予算や各部署とのコミュニケーションをして、意図していない使い方をしていないかを確認するような仕組みを作っています。

3つ目としては、Just for Funを実現するためにCRMを作ったり、予約事業が入ってきたりと、新しい事業がジョインしています。その方々を探したり、また探していくときの案件を執行することは、特に当社においてはCFOの大きな役割の一つなのかなと思っています。M&Aと一言で言っても、小さい会社のM&Aも大きい会社のM&Aも結構変わらなく、非常に複雑だったりもするので、案件の執行のところはやらせてもらっています。

なのでこの大きく分けて3つ、投資家のステイクホルダーマネジメント、資金の管理、あとはコーポレートディベロップメント(M&A)ですね。あとはコーポレート部門を所管しているので、その他リスクや法務というところも管掌しています。ざっくりだけどそういう整理ができるかなと思ってます。

藤村:投資家とのコミュニケーションっていうのが、みんなマジで想像がついてないと思っていて。なんとなくスタートアップ業界について聞きかじっている人だと、ピッチをして投資してもらえるようにお願いするって仕事なのかなぁと思うかもしれないですけど、意外とそうじゃないですよね。

齋藤:結構ウェットなコミュニケーションが多いですね。セールス活動と似てるかなと思っていて、特に新規の方々に関してはある意味リードを見つけてきて、そのリードをいかにメンテナンスするか。1回ピッチをして終わりというわけじゃなくて、新しく投資をしていただくにも場合によっては3年かかるケースもあります。今までも投資をしていただいた中で、1年前には「今回はパス」と言われたけれども、時間が経ってから「ちょっと興味があるんだけど」と言っていただいたりとか。

そういった方々とちゃんとコミュニケーションを継続すること、関係値をちゃんと構築することかなと思っています。我々のビジネスをちゃんと理解していただいて、その上で興味を持っていただく。興味を持っていただいた方々との関係値を構築、維持するというところが非常に大事ですね。

藤村:投資家の方々のタイミングとかもありますもんね。

齋藤:そうですね、本当にそれってご縁だと思うので、採用に似ている部分があるんじゃないかなと思います。

藤村:確かに僕も、必ずしも採用につながらなくても仲良くしておくみたいなことがあります。常に採用という下心があるわけじゃなく、単純に友達だから仲がいいところもあるんですけど。そこまでフレンドリーじゃないかもしれないけど、そういうのもありそうですよね。

齋藤:そうですね、投資家の方々も我々のビジネスをちゃんと理解いただいている方も多いので、例えばアメリカでこういう企業がある、アジアでこういう企業がある、こういうことをやっているけど、どう思う?とか。そういうところは必要に応じて社内に還元できるようにしていきたいなと思ってますし、非常に有益な情報をいただくこともあります。例えば「STORES に似た会社があるけど、そこのCEOに会ってみないか?」と、ご紹介をいただくケースがあります。それはそれで、今まで考えていなかったことがわかったり、自分たちではアクセスできない方々をご紹介いただくこともあるので、本当に持ちつ持たれつな関係ができています。

あとは、証券会社の方々から「足元資本主義でこういうことが起こってますよ」と色々フィードバックをいただくんですけど、それは本当なのか?みたいなところを、投資家の方々にカジュアルに聞かせてもらったりしています。いい関係、信頼関係を築くことがすごく大事だと思ってます。

グローバル経済の先行き

藤村:利上げになってグローバルな経済はちょっと違う色合いになってきたかなと思うんですけど、さらにここ数ヶ月で何かあったりするんですか?

齋藤:そうですね。基本的には想定通りなのかなと思いますけどね。CPI(消費者物価指数)自体は遅行指標のある住宅というのが大きな割合を占めているので、CPIだけを見ているとなかなかピークアウトって厳しいよねと。それを考えると10月、11月にもしかしたらピークアウトが見えるかもしれない、そういうふうに見えちゃったと思うんですけども、マーケット全体はどちらかというと楽観的に振れやすいところもあるので、基本的には想定通りの動きなんじゃないかなと思っています。

米国も足元色々なニュースが出てますが、リセッションを経てから利上げがいつ止まるのかという局面と、その先に利下げが来年は起こるのか、その翌年なのかというところを見ている感じなのかなと思っています。なので今のところは、大きな想定がずれていたというよりは、今年の6月頃に想定していたことが実現してきたのかなと。大きな景気変動の局面なんだろうなと思っています。

藤村:なるほどなぁ。

齋藤:この話面白いのかな?

藤村:こういう話って聞くことはあんまりないんじゃないかと思うんですよね。なので、全然こんなこと知らなかった、そうなんだ、みたいな感じで聴いてもらえるんじゃないかと。

齋藤:個人的にはこんなに注目されない米国の中間選挙もすごいなと思っていて。今までだったら中間選挙でどれだけマーケットが振れるかを注目していて、1年前も中間選挙がこの11月にあるよね、これでマーケット変わるかなってちょっと思ってたんですけど、インパクトがない。こんなに注目されない中間選挙ってくらい、マーケットが動いてるってことなんでしょうけど。

藤村:中間選挙の結果に関わらず、金融政策自体はそんなに変わらないだろうってみんなが思っているってことなんですか?

齋藤:共和党が優勢というところが見えていたと思いますし、共和党はどちらかと言うとプロエコノミー(経済重視)なので。経済だけ見るとポジティブに働きやすいんですね。一方でねじれになると、どうしても政策が上手く進まなくなる可能性はあります。昔クリフみたいな話があったと思いますけど、債金が米国で発行できなくなっちゃう、そうするとどうしても金利が上がってしまうこともあったので、そうするとまたレームダックじゃないんですけど、なかなか新しい政策が執行できないという局面や予算がつかない、そういったことも起きるのかなと思っています。

時間があるときに考えることってなんですか?

藤村:話は変わるんですけど、時間があるときに仕事に関してゆっくり考えることってあるじゃないですか。僕はそういう時に、CTOとしてこの事業って長いスパンだと技術的には何が重要で、何を積み上げないといけないんだっけとか、そういうこと考えたりするんですよ。CFOの人は時間があるときに、長期の目線だったりで考えることってどんなことなんですか?

齋藤:そうですね。STORES という会社自体は発展途上だと思っているので、まだ会社としてできてないファンクションが一部あります。中長期的な成長を担保するために会社として必要な機能やプロセス、仕組みって何なんだっけっていうところは思ったりしますね。

複数の20人規模の会社が統合してできた中で、例えば法務、管理会計、あとはFP&Aと言われるようなものとか、そういうファンクションもやっとでき始めたところなので、必要最低限なものがやっと揃い始めた段階です。

5年後10年後を見据えた上で、必要な機能が会社の中にまだない部分はあるかなと思っているので、それをどのタイミングで、どうやっていこうかなというところがこの中長期で考えなきゃいけないことかなと思っています。この3ヶ月くらい足元のマインドシェアは、もう少し短期的な執行のところ、ここから1年以内に起きることに対してそこの執行をいかにするかというところに寄っていますね。

藤村:コーポレートもいろいろあるじゃないですか。色んなチーム、担当の部隊をどう割り振るか、何をどう担当していくかって会社によって違いそうじゃないですか。

齋藤:めちゃくちゃ違いますね。

藤村:どうするかみたいなのも、我々にとって悩ましい課題ですよね。

齋藤:めちゃくちゃ悩ましいですね。

藤村:どういうチーム編成の会社にするかみたいなのもありますよね。

齋藤:そこは仰るとおりですね。STORES の場合は、例えば一般的な会社にある総務という部署がなかったりするので、そういう中でどの部署にどの仕事を割り振るか。そもそも会社として5年後10年後を見据えた時に、必要なファンクションって何が足りてないのか、それを作るときにどういう組織でやっていくかとか考えなきゃいけないことが結構あるかなと思いますね。

エンジニアリングとアートの共通点

藤村:逆にゴロスさんから僕に聞いてみたいことってありますか?

齋藤:僕は前職のときからエンジニアと接する機会が出始めたんですけど、前職で面白かったのはこういうことやりたいんだけどってエンジニアに伝えたら、とりあえずJSONファイルだけ送られてきて「これで何をやるか考えたら」と言われて。そもそもJSONファイルってなんだっけってところから調べなきゃいけないことがありました。そこの方々と比べると  STORES のエンジニアの方々はていねいで優しくて、素晴らしいなって思っているんですけど。

あと聞いてみたいのが、特に藤村さんはアートがお好きなところがあって、社内を見ても一部アートが好きな方ってまあまあ多いのかなと思っているんですけど、エンジニアとアートに共通点があるんですか?

藤村:自分でものを作って出さないといけないっていうところが、似ているのかなって気がしますね。

齋藤:作品ですか?

藤村:そうそう。作品を出さないと仕事にならないっていうのが多分どっちも一緒で、作品を作るためには練習しないといけない。練習した技も単純に100メートル走を何分みたいな感じじゃなく、いろんなスタイルがあって、スタイルによって上手くできること、できないこと、味わいみたいなものも違ったりする。そこら辺は似てるかなと思いますね。

齋藤:思考方法として似てることってあるんですか?

藤村:思考かぁ。ソフトウェアを書く上ではどうするのがベストなのかって、一番エレガントだったり、効率的だったりする方法って何だろうみたいなのはずっと考えるんですよ。そこは似てるかもしれないですね。最高のものは何だろうってずっと考えてる。で、最高のものも角度や見方によって違ったりするので、この角度だと最高のもの、この角度だと最高のものって違うんです。そのアングルを変える仕事、変える頭の使い方とかも似てるかもしれない。

齋藤:僕らがフィナンシャルモデルを作るときに、モデルの作り方でいろんなポリシーがあったりするのと若干似てるかもしれないですね。

藤村:そうですよね。金融の人のそういうのがすごい似てるんじゃないかなって思いますね。

齋藤:ちなみに僕も前職のとき、そういう金融のモデルを作るとかもそうだし、あとはさっきJSONファイルもらってからそれをデータ解析するって言われたんですけど、データ解析をどうやってするかがわからないので、とりあえずCourseraやUdemyを見て、Pythonでデータ解析をする勉強をしました。週末でいろいろ作って、その後にWebに落ちてるのを見たら、めちゃくちゃ簡単に書いてる人がいて「なんだこれは!」と。僕は何十行もある、めちゃくちゃ長いコードを書いてたんですけど、それをめちゃくちゃ簡単に書いてる方を見て、自分のレベルの低さに落ち込んだことがあります。今の話を聞いて、それに似てるなってちょっとだけ思いました。

藤村:長くてごちゃごちゃしていたやつを、きれいに整理できた時がまじで気持ちいいんですよ。

齋藤:めっちゃ嬉しそうですね。

藤村:だから片付いてないやつを見ると、逆にちょっとテンション上がるんですけどね。

齋藤:たしかになぁ。それで正解が見えるかどうかもわからないし、少なくとも僕は見えてなかったんですけど。やり続けると楽しいのかなって、パズルに似てるのかもなってちょっとだけ思いました。

藤村:似てます。しかもゴールが何種類かわからないパズルみたいなものですね。まだ見つかってない解き方がある可能性もあって、そこら辺が面白いんですよ。

齋藤:めちゃくちゃ嬉しそうですね。

藤村:ゴロスさんに聞きたいことはまだいっぱいあるんですけど、そろそろお時間なので締めようと思います。よかったらぜひまたよろしくお願いします。

齋藤:もちろんです。

藤村:ということで、論より動くもの.fmを終わろうと思います。ハッシュタグ #論より動くもの で感想をお待ちしてます。あと STORES はエンジニアの募集もしていますので、一緒に働きたいと思ったり、それこそ関係性みたいなところで「どうですか?」みたいなお話ができればと思いますので、僕とか会社づてでご連絡いただければと思います。ゴロスさんありがとうございました!

齋藤:ありがとうございました。(完)

 

次回の更新をお楽しみに!

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