
CTO 藤村がホストするPodcast、論より動くもの.fmの第37回を公開しました。今回は2026年新卒入社エンジニアのsushichan044と、AIネイティブ世代の仕事の仕方、人間業の充実とフロントエンドのコードの品質について話をしました。
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ページ移植職人とdotfiles駆動開発
藤村: こんにちは、論より動くもの.fmです。論より動くもの.fmは STORES のCTO 藤村が技術や技術じゃないことについてざっくばらんに話すポッドキャストです。今日は入社後間もないsushichan044に来てもらいました。sushichan044、こんにちは。
sushichan044: こんにちは、よろしくお願いします。インターネットではsushichan044と名乗っています。
藤村: 入社後何ヶ月ですか?
sushichan044: 4月入社なんで、今2ヶ月半ぐらいですかね。
藤村: 関係ないんですけど、IDって044じゃないですか。川崎?
sushichan044: いや、あれは川崎ではなくて。ひらがなの当て字をするとお寿司になるんですよ。数字にしたいなと思って考えたら044かなという気持ちになって。IDを今のに変えるときに「sushichan」だけにすると短すぎるなと思って、何か付けようかなと思った結果、こういうsuffixが付きましたね。
藤村: 僕、川崎出身なんで、もしかしてsushichan044も川崎出身なのかなって。そんなことはなかった。
sushichan044: (笑)。
藤村: 入社前からアルバイトで来てくださっていたこともあるんですが、すでに大活躍してると思うんですけど、最近は何やってるんですか?
sushichan044: STORES ってプロダクトごとに管理画面が分かれていて、コードもドメインも分かれていたんですが、諸般の事情により一つにまとめた方がいいとなり、今はそれをやってますね。僕は特にダッシュボードのコードを書き直して移植するところを担当していて、最近はひたすらページ移植職人みたいな仕事をやってますね。
藤村: 移植職人は何が大変ですか?
sushichan044: 規約が全然違うコードベースに、機能と見た目をある程度残したままコードは全く別のものをゼロから作り直すことをやっていて。元々AIを使うのが前提のプロジェクトではあるんですけど、人間が介在しなくても一定の品質まで高めるのは難しいですよね。
藤村: どこで詰まるというか、「ああ、人間がやるか」みたいな場面ってあるんですか?
sushichan044: デザインシステムへの準拠、レビュー対応は結構うまくいかない部分があって、昨日もそれの試行錯誤をゴリゴリやってはいたんですけど、割とうまくいくようにはなりつつあります。
藤村: じゃあお願いするだけみたいな部分がだいぶ増えてきた感じですか?
sushichan044: 昨日一回ワークフローを全部組んでみたら4〜5時間走ってはくれたんですけど、ちょっと効率が悪くて。今日の午前中はそれの改善をひたすらやってて、これから次のイテレーション回してみようかなって感じですね。
藤村: この流れで聞いてみたいのが、そもそもsushichan044ってどんな感じでソフトウェアを作ってる? 何を使ってどう、みたいな。
sushichan044: 僕は手書きはほとんどしていなくて。パソコンの構成管理、いわゆるdotfilesみたいなものがあると思うんですけど、そこにAIの設定も全部入れて、事前に決めたスキルをうまいこと使って基本的にはAIがほぼ全部仕事をしてくれるやり方になってますね。
藤村: うちの場合、スキルはオフィシャルもあるじゃないですか。
sushichan044: 自前というか、公開されてるものをbunx skillsとかで入れたりすると思うんですけど、僕はdotfilesのリポジトリに全部コミットしてて。自前のスキルか、そのままよそから持ってきたものもあって... 30ぐらいはあるのかな。今でも10個ぐらいは自分で作ってるものもあります。
藤村: やりながら追加する感じですか?
sushichan044: そうですね。仕事中に詰まったなと思った時に、自分にとって振る舞いが気に入らないとか、自分のワークフローに沿ってないなと思ったらリアルタイムで直してますね。
藤村: プランする派ですか、しない派ですか?
sushichan044: 割とミクロというか。一回走らせて自分が見る場合のワークフローの時はプランをやってるんですけど、そうじゃない時はもうオートで起動してサブエージェントがホイホイ仕事してるのを眺める感じになってます。
藤村: そうなりますよね。
sushichan044: でもワンショットだったらやっぱりプランした方が、予測がつきやすいというか、何が起こるのか予測しやすいので、様子がおかしい時に早めに止められるのはありがたいですね。
藤村: 手元は何でやってるんですか?アプリ?Claude Codeのターミナル?
sushichan044: Claudeのターミナルを基本的には使ってて。
藤村: ターミナルからclaudeコマンドで起動って感じだ。
sushichan044: 普通にCLIを使っています。
藤村: ウィンドウ分割?
sushichan044: ターミナルをモニターの全面に出すようにしてて、3分割してるんですよね。左半分は上から下まで全部あってそこでClaudeが動いてて、右上のペインで自分でコマンドを打つときとかそこを使ってて、右下に開発サーバを置いてることが多いですかね。
藤村: うーん、なるほど。今みんなこれどうしてるのか結構気になるって言えば気になる。僕はもうデスクトップアプリになっちゃった、ほぼ全部。
sushichan044: デスクトップアプリ、僕はあんまり使ったことないんですけど、体験がどういう風に違うのかはちょっと気になりますね。
藤村: なんかね、デスクトップアプリに仕事を頼むと勝手にワークツリーを生やしてそこで作業を始めるんですよ。俺はローカルのどこでそれが動いてるのか分からないから、ワークツリーを検索するコマンドを作って一発で移動できるようにして、「こんなとこでやってたんだ、俺も知らんかった」みたいな感じに最近はなってますね。
sushichan044: 僕はワークツリー作成の挙動もだいぶ細かくいじってるんで、デスクトップへの移行はなかなか来ないんだろうなみたいな気持ちはありますね。
藤村: そっか、skillsとかの扱いが違うのかな。
sushichan044: ワークツリーの作成もサードパーティの別のツールを使ったり、さらにそこにhookして環境のセットアップを自動でやっているので。ちょっとデスクトップに移行するには資産が大きすぎるかなというのが肌感としてありますね。
藤村: セットアップが面倒くさいんだよな。意外とこのクレデンシャルはお手手で作らないと入らないとか、そういうのがたまーにあるから。
sushichan044: そうなんですよね。
AIコーディングネイティブと生活の充実
藤村: 手書きしてた時代とAIで書いている時代、どっちが長いですか? 今までの人生の歴史でどっちが長い?
sushichan044: 人生の歴史だと手書きの時間の方が長いんじゃないですかね。たぶん3対1か2ぐらい。
藤村: じゃあAIコーディングネイティブと言ってもおかしくない世代ですね。
sushichan044: そうですね。プログラミングを大学に入ると同時に始めたんですけど、その頃ちょうどCopilotで精度が高いインライン補完ができるようになって盛り上がった時代で。そういう意味では最初から全てを手で書いていたわけではなかったと言ってもおかしくはない感じがしますね。
藤村: なるほどね。最近のAIコーディングについて思うこと、意見とか、これは実は違うんじゃないかみたいなのある?
sushichan044: 個人でもClaude CodeのMaxプランとかを契約してゴリゴリにやられてる方も結構いらっしゃる一方で、逆にもっと生活というか、人間として生きる仕草を頑張る方とがだんだん分かれてきてるのかなという印象はちょっとあって。僕もどちらかというと生活大好きみたいな感じになりつつあるので、生活するとか運動するとか。社内にyubrotさんという山登るのが好きな方がいて、僕も最近山に目覚めそうになってるんですけど。
藤村: 人間業を充実させつつあるんですね。
sushichan044: そっちの気持ちにだんだんなってきてるなというのはあります。
藤村: 日中どっぷり使ってますもんね。
sushichan044: そうなんですよね。プライベートでやってもいいし、欲しいと思ったものをAIと一緒に作ったりはするんですけど、それ全部やってると疲れちゃう印象が個人的にはあるので。そこら辺疲れないように工夫するというのもあるし、もう一個はそもそもやっぱ生活の方を意図的に楽しむというのもあるんじゃないかと最近思ってますね。
藤村: 人間業を充実させて、意思決定のクオリティを上げるのも超重要な仕事みたいな感じありますよね。
sushichan044: あー確かに。疲弊した脳で考え続けて割と悪循環に陥る気はしてるので、それはありそうですね。
藤村: 調子いい時って一撃でもう筋がいい指示を出せるというか、AIにポンポンポンって言って何事もなかったかのように進むけど、なんかヘロヘロになってる状態で夜にやっていると泥沼化していくみたいな。
sushichan044: 夜に道筋を考えるところから始めるとちょっと厳しいですね。
藤村: いやあ、間違いますよね。僕も基本20時以降に書いたコードは信用しないっていうポリシーですね。手書きの時もやってたけど、今もそうだな。
sushichan044: 20時以降の判断は信用しないみたいな。寝かせて次の日やるみたいな感じなんですか。
藤村: そうそう。絶対調子に乗ってるだけとか何か変な方向行ってるだけだから、翌朝ちゃんと確認しようって。
エージェントを流しながら別の仕事をする
藤村: さっきパソコンに向き合わずに仕事をするみたいな話をしてたけど。どういうことなんですか?
sushichan044: さっき話した画面移植プロジェクトで、移植の実装は僕がある程度ヒューマン・イン・ザ・ループを頑張れば普通に回るようにはなってきてるんですけど。一方で移植するページってプロダクトだからありえないぐらいあるんですよね。なので僕がループの中に入ってると僕がボトルネックになる、動作確認は後から直列にやればいいんですけど、実装が直列になるとすごい大変だし、僕も疲れる。ここ2、3日ぐらいで無視できない疲労になってきたので、昨日は腰を据えてちゃんとワークフローを作っていて。その結果として、パソコンから離れてもうまくいく感じにはなってきましたね。
藤村: 都度都度指示を出さなくてもいいってこと?
sushichan044: そうですね。それが今までよりもう一段高いレイヤーでできるようになりつつあります。でも、やっぱりトークンはその分いっぱいかかるんですよねという難しい問題があるので。
藤村: 流してる間は何をしてるんですか?
sushichan044: 流してる間は本当に全然違う仕事をしてますね。動作確認は個別にやってもらうでもいいんですけど、ブラウザをAIに操作させるとその間僕がブラウザを使えなくなってしまうという問題があって。動作確認は僕が個別にやったり、個別にやった上でもうちょい細かい部分のブラッシュアップを別のワンショットのセッションでやってますね。
藤村: なんかもうパソコン2個置いた方がいいんですかね、人間用とエージェントに頼む用みたいな。
sushichan044: それがあると最高ですね。特に自動スリープがないと最高なんですけど。
藤村: それなー。しかも会社のやつだとスリープなしにするのはさすがにどうかと思うじゃん。
sushichan044: そうなんですよね。やらないと怒られが発生すると思うんで。まあ無理ですよねみたいな。
藤村: 危ないからな。普通に。
sushichan044: さすがに色々まずいと思うので。
藤村: 最近家でMacのデスクトップアプリを作ってて、それは家のパソコンを落ちない設定にして。Codexって今デスクトップアプリでも、コマンドラインもそうかもしれないけど、ChatGPTから操作できるんですよ。
sushichan044: へー。
藤村: Claudeのアプリも多分あると思うけど。コーヒーを買いに行きながら「あ、できたんだ」って指示を出すみたいな、だいぶ楽しい感じ。
sushichan044: デスクトップの方が割とより非同期な体験になりそうな感じがしますよね。どうなんだろう。コマンドラインだと仕事風景が見えちゃうからどうしても介入したくなっちゃうみたいなのはちょっとあると思ってて。
藤村: そうかもね、確かに。僕もはや途中経過を全く見ないっていう結構極端な感じで最近はなってきて。デスクトップはデスクトップで体験がやっぱり作り込まれてるなと思うんで面白いですよ。
sushichan044: なるほど。Codexのデスクトップアプリは特に出来がいいみたいな話は各所で聞いてるので、ちょっとそろそろ一回デスクトップの方も。CodexはClaudeと比べるとそこまでガチガチにカスタマイズしてないんで、デスクトップでもよさそうなので、今度やってみようかなと思います。
藤村: マジでキャラが違うんで、その違いも楽しいというか。
sushichan044: ありがとうございます。ちょっと今度やってみたいと思います。
フロントエンドのコードを人が見る時代を終わらせたい
藤村: 今後の展望というか、やってみたいこと、「実はこうできるんじゃないか」みたいなアイディアを持ってそうだけど、なんかあります?
sushichan044: 一番大きいのはフロントエンドのコードを人が見る時代を早く終わらせたいなとは思ってますね。
藤村: 見てますよね、まだね。
sushichan044: フロントエンドって統率を保つのが難しいことが多くて。Railsって明らかに芯が通った規約がちゃんとあって、基本的にそれに沿って書くのが当たり前みたいな世界。一方で、TypeScriptとか、TypeScript以外だとGoもそうだと思うんですけど、エコシステムから好きなものを引っ張ってきて自分で規約を作るやり方をしてると、規約を作り込むことにリソースを割くのは意外と簡単じゃないから、なあなあな規約で物事が進むというのはそれはそうというか。AIで加速度的に画面が増え続けている中でちょっと厳しくなってきているなという肌感があります。
藤村: いろんな書き味のものが転がっているなみたいな感じになってきている。
sushichan044: そうなんですよね。どうしたいを決めて、AIの物量で全てをそれに寄せるみたいな、今までとは違うアプローチで統一できそうだなと最近考えていて。
藤村: 例えば、是非はともかく全部SWRに寄せてって一言言ったら1時間後にできてくるんじゃないかみたいな。
sushichan044: 多分数年後とかのエコシステムを見据えて、一定その時点のスナップショットとして筋がいい決定ができればあとは物量はどうにかできる時代になったので、どこまで考え抜けるかによりそうと思ってますね。
藤村: あとはそれで手で動かしてみると微妙に細かいインタラクションが変わってて「いや、こうじゃないんだよな」っていうのを直さないといけないとかいうのを自動化するとだいぶ未来って感じですよね。
sushichan044: そこまでいくと未来ですね。
藤村: そこまでいけるといいですけどね。
sushichan044: フロントはシンプルにコードの量が多くて。ファイル一つ一つに書く量は少なめになる代わりにコードの量自体は明らかに多くなると思うので、AIで寄せるといってもそれも簡単ではなくて、登り方はよく考えなきゃダメで。難しいけど、かといってHTMLで手書きするかって言われたらそれは話が違うんで、付き合っていくしかないという気持ちがあります。
藤村: 量がありますよね。
sushichan044: コードが増えていく中でもいかに人間が介在せずに一定の品質と一貫性を保っていくかを最近ずっと考えています。
藤村: そうなんだよね、ただの仕事の相談というか「どうしようね」みたいな話になってきたのが、まあ面白いところだな(笑)。家で何か作ったりもするんですか?
sushichan044: プライベートだと割と静的解析のことを考えてる時間が長くて。うちの会社で今一番大きくなってきている管理画面のフロントエンドはReact Routerというフレームワークを使っていて。React Routerは規約がある方のフレームワークだと思うんですけど、難しいのはその規約がファイルをまたいでいて、設定のファイルやルーティングのファイル、ルーティングの実装を全部見ないと規約が反映されているかを機械的にチェックすることが難しいという課題があるんですよね。AIで特に加速度的に画面が増えていく中で、そこの一貫性をどうにかして機械的に保つ方法がないのかなと思って、最近はどうにかしてファイルをまたいで規約を守れているかの解析が作れないかをトライしてますね。
藤村: そういう辻褄合わせの仕事はやっぱり残りますね。
sushichan044: そうですね。辻褄を合わせるためには辻褄が合っている状態が何かをまず知っている人がいないといけないというのがあって。今まではコードが増えていく量は、ある程度人間の数で律速されていたから、気持ちのある人が数人いればどうにかなる世界観だったと思うんですけど。今は気持ちがある人が言っているだけではどうにかなるとは思ってなくて、さらにその人が言語化してAIを使って全部制御して統制しないといけないと思っていて。もしくはそもそも一貫性というのは諦めていくのか、どっちなんだろうって思ってるんですけど。
藤村: まあ面白いですよね。謎の「そんなことが起きるんだ」みたいな状況が起きていて、それを速度を下げずに壊れないようにしていくっていうのはなかなか今だからこその面白さって感じがあるような。
sushichan044: そうですね。一貫性というのがそもそもどのくらい高速にデリバリーできることを支えてるかみたいな指標を測るのってめっちゃ難しいと思っていて。
藤村: 本当に一貫性に価値があるのかって話になってくる。
sushichan044: そうなんですよね。なので一貫性を機械的に保てるようにしたいと考えている一方で、そもそも一貫性を保つことにどこまで意味があるんだろうとは別で考えていて、答えはちょっと出ていないんですけど。
藤村: もう一個上の指標があるのかもしれないですけどね。何のための一貫性なんだっけって言われると、やっぱり保守性とか、今までのソフトウェア開発の様々な指標、障害復旧の速さとか色々あるんで、そういうのでもう一回見てみた方がいいかもしれないですね。
sushichan044: どのくらいの水準を目指していくかも、それはそれで考えないといけない気がします。となると、普通にSRE業だよなって。
藤村: SREの伝統的な指標というか、DORAレポートって昔よく見られたレポートがあるんですけど、そういうのの指標を見直して、だけど「開発速度が10倍になった場合この指標ってどう正しいのか」みたいなのを取り直して使うみたいな感じにするんでしょうね、きっと。
sushichan044: AIでコードが増え続けるから、コードに対するSREが一定必要になるのかなというのが最近考えていることです。
藤村: という感じで、我々はどうソフトウェアを作っていくのかっていうのをただ話し込んでしまうだけになりがちな(笑)。まだ入社して2ヶ月ちょいのsushichan044と、今日は論より動くもの.fmをお届けしましたが、この辺りで終わりにしようと思います。#論より動くもので感想をお待ちしていますので、ぜひXで感想を教えてください。ということで、今日はありがとうございました。
sushichan044: はい、ありがとうございました。
藤村: ごきげんよう。(完)
STORES では新卒採用をしています。論より動くもの.fmを聴いて、少しでも STORES に興味を持たれた方は、ぜひHello STORES(会社説明会)にご参加いただけると嬉しいです!