STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

RubyKaigi 2024で託児サポートを実施しました〜準備から実施までの記録〜

こんにちは、技術広報のえんじぇるです。STORES はRubyKaigi 2024でNursery Sponsorとして、0歳(首すわり完了、生後3・4ヶ月頃)~12歳までを対象とした託児所の企画運営をしました。3日間で合計23名のお子さんをお預かりし、保護者の方がRubyKaigiに集中できる環境を提供できました。

Nursery Sponsorを選んだ理由とRubyKaigi 2024に向けた思いは、開催前に書いているので下記をご覧ください。

product.st.inc

本記事では実際にどうやったのか、どんな様子だったのかをお伝えします。カンファレンスやイベントで託児所の設置を考えている方の参考になれば幸いです。

準備〜実施までのタイムライン

12月下旬

  • Rubyプラン相当のカスタムスポンサーとしてNursery Sponsorを提案
  • RubyKaigiオーガナイザーからアクティビティをできないかという打診がある

1月初旬

  • 団体対応可能な託児サービスの調査
  • 美ら海水族館に行くアクティビティが実現可能かを託児サービスに問い合わせ

2月中旬

  • RubyKaigiオーガナイザーと打ち合わせ
  • 託児会場探し

3月中旬

  • 託児サービス運営会社と打ち合わせ
  • 託児サービス申し込み受付開始
  • RubyKaigiからメールやXで告知、STORES はプレスリリースを配信

3月下旬

  • 託児会場の下見、申込み
  • 貸切バスの下見

4月中旬

  • 託児サービス利用申込書提出の依頼
  • 美ら海水族館のレストラン予約

5月上旬

  • 託児サービスの利用者確定
  • 貸切バスの申し込み

5月15〜17日

  • 託児サービスの実施

体制

STORES から託児サポートの担当を2名決め、託児所に必ず1名は常駐するようにしました。常駐することで、保護者の方からの問い合わせに対応したり、シッターさんが判断に困るような場面での判断をスピーディに行うことができます。託児所が一時的に混雑する受付・お迎えの時間帯は、2名が託児所に待機するようにしました。

工夫したこと

STORES に情報を集約すること

託児サポートの申し込み時には利用者の個人情報を入力いただく必要があります。RubyKaigiを介すことなく、STORES が申し込みフォームを準備し、託児サポート会社に連携することで、情報流通を最小限にすることができました。また、当日の受付も弊社が担当していたので、スムーズに対応することができました。結果的にRubyKaigiのオーガナイザー、スタッフのみなさんにはKaigiに集中していただける体制になったのではないかと思います。

対象年齢を広くしたこと

託児サポートを提供する場合、未就学児を対象としていることが多いです。今回は、開催地が沖縄県だったため、家族と一緒に行く人が多いのではないか、小学生だからといって会場やホテルでお留守番するのは難しいのではないかということを考慮し、対象年齢を0歳(首すわり完了、生後3・4ヶ月頃)~12歳までとしました。

美ら海水族館へのアクティビティの実施

オーガナイザーからアクティビティができないかという打診があり、美ら海水族館に行くアクティビティを実施しました。対象年齢については悩んだのですが、バスで片道2時間程度、美ら海水族館でもたくさん歩くので、5歳以上としました。

10名のお子さん、4名のシッターさんと私の計15名で美ら海水族館に行きました。美ら海水族館の中を散策、レストランで昼食をとり、公園で遊び、イルカショーを見て、帰路につきました。レストランはビュッフェ形式だったのですが、それぞれ好きな物をたくさん食べて満足げな様子で、微笑ましかったです。美ら海水族館での様子を撮影し、後日写真共有サービスで保護者の方に共有しました。

大変だったこと

会場内に託児所を設置できなかったこと

これまでのRubyKaigiで託児サポートを実施する場合は、託児所をRubyKaigi会場内に設置していたのですが、今回は会場内に適した部屋がなく、場所を探すところから始まりました。土地勘のない所で、託児所として利用できそうな場所を探すのは難しかったです。会場からの近さ、広さなどの条件を満たしていても「託児所としての利用は…」とお断りをされることもありました。最終的にローカルオーガナイザーのみなさんから提案いただいた場所から立地、広さとも条件を満たしている会場を下見し、決定しました。

何かトラブルがあった際に瞬時に対応するため、託児会場に STORES メンバーが常駐することにしました。カンファレンス会場内に託児所があれば、ブース対応なども兼任できたかもしれませんが、託児会場が離れている場合には人員も多く必要であることがわかりました。

外出時の視認性対策、熱中症対策

美ら海水族館に行った際に一番大変だったことは、参加している子どもたちがはぐれていないかを常に注視することでした。団体行動であることはわかっていても、見たいもの、見るペースはそれぞれ違うので、バラバラになってしまうこともありました。同行しているシッターさんも常に人数を数えている状況だったのですが、お揃いのTシャツや帽子を身につけていれば、視認性も高まったと思います。

利用された方の声

託児サービスを利用された方の声を紹介します。

Xの投稿

利用者向けアンケートの感想(一部抜粋)

  • 保育園と実家以外で子供を預けるのが初めてだったので、少々不安もあったのですが、託児サポートがありとても助かりました。来年度以降もあれば、ぜひ利用させていただきたいです。強いて欲を言えば、預け入れ中の写真(数枚でも良いので)、託児サポートを利用した参加者間の交流があるともっと良かったかもと思いました。

  • 託児所のサポートのおかげで安心してセッションに集中することができました。子どもたちも楽しんでいる様子で、親としてもとても嬉しかったです。

  • これまで沢山のカンファレンスを子育てと両立のため、あきらめてきました。核家族化が進み、コミュニティのなかで子育てが難しくなってきている現在で、本当に痒いところに手がとどく、松本さんが先日お話しされていたRubyのサービス精神にピッタリとマッチした試みだったと思います。

  • 一つ要望を上げると、子があまりにも楽しかったことからお友達とまた会いたいと言っており、託児サポートを利用した親たち含めて夕飯とか交流とかあったらRubyKaigiと子供の縁がその先に続いていってよかったのかなと思ったりしました。

  • 託児所はもちろん、美ら海水族館アクティビティ大変たすかりました!

上記の他に、食事や荷物についてもコメントをいただくことがありました。 また、今回は利用者の方への連絡をメールにしていたのですが、次回は利用者の方を集めたSlackチャンネルを作り、利用者同士でも交流できるようにするのがいいのではないかと思っています。

費用

今回の託児サービスを提供するためにかかった費用です。託児サポートを検討している企業や団体のみなさまの参考になれば幸いです。

  • 託児会場レンタル:60,000円
  • シッター:1,020,000円
  • 貸切バス:130,000円
  • 美ら海水族館チケット+昼食代:40,000円
  • 合計:1,250,000円

まとめ

多様な属性やライフスタイルを持つ人がエンジニアリングについて学べる・学びたいと思える社会に貢献することを目的として、Nursery Sponsorをしたのですが、利用者の方のアンケートからも目的を果たせたのかなと思いました。 今後もさまざまなテックカンファレンスで同様の取り組みを続けていければと思っています。