STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

RubyKaigi Takeout 2021 参加レポート。あるいは hey は何故 Ruby エンジニアに対し会社をアピールしたいのか

こんにちは、hey 株式会社 CTO 室本部所属の id:hogelog です。

先日 RubyKaigi Takeout 2021 (9/9 - 9/11) が開催されました。Ruby 言語の開発者や利用者が集まり一年の成果を発表し盛り上がる、Ruby エンジニアの祭典です。今年の RubyKaigi も盛りだくさんの内容でしたね。個人的にもとても楽しく、エンジニアとしても刺激を受けいろいろな技術に取り組んでいこうと思えるイベントでした。

rubykaigi.org

さて今回のエントリではそんな RubyKaigi というイベントに hey のエンジニアがどのように参加し、受け止めていたか紹介したいと思います。

hey は RubyKaigi Takeout 2021 のプラチナスポンサーです。

いきなりアピールしてしまいますが 今年のheyはスポンサーを頑張ってます! - hey Product Blog でも紹介したように hey は今年もプラチナスポンサーとして RubyKaigi Takeout 2021 に協賛させていただいております。

もちろんスポンサーとして Ruby コミュニティに還元し Ruby という言語を応援したいという思いもあるのですが、ここではあえて採用目的で「Ruby エンジニアに hey をアピールしたい!」という思いがあることも記しておきます。hey は Ruby だけを開発言語としている会社ではありませんが、Rails 製アプリケーションがたくさんあり、社内のデファクト共通言語としても Ruby が強い組織です。そんな hey にとって親和性の高いであろう Ruby エンジニアに対し「hey は様々なサービスの開発を精力的に進めているし開発の手はまだまだ足りていない、一緒にやりませんか!」とアピールしたいのです。

当日の様子

RubyKaigi Takeout 2021 はオンラインのイベントなので、参加各位もリモートで参加しています。

イベント中は RubyKaigi 側の公式チャット欄とは別に、社内 Slack の RubyKaigi チャンネルでもワイワイしています。

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スポンサーロゴが表示されたのをキャプチャして喜んでいる様子

各位の参加レポートは社内 esa に挙げられます。

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社内 esa にあげられた感想レポート

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Ruby コミッターとして MoneyForward で働く一方、hey でもエンジニアとして働く卜部さんの登場で湧く様子

リモート開催で業務とイベントのスイッチングコストが低いため、業務でトラブルが発生したらそちらの対応をしてまた戻ってきたり、週末は家庭業務にリソースを取られて参加しにくかったり、各位のペースで RubyKaigi に参加していたように思います。

社内感想戦

RubyKaigi に参加していなかった人に内容を伝えたり、興味はあったが別トラック参加のため見られていなかった発表内容など情報交換をするため RubyKaigi が終わった翌週、社内で RubyKaigi 感想戦を開催しました。

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思い立ったので即開催

以下、感想戦でも盛り上がったいくつかの発表についてピックアップします。

TypeProf for IDE: Enrich Dev-Experience without Annotations

mame さんの TypeProf for IDE の発表はとても刺激的でしたし、単なる夢で終わらせない「この現代的開発体験を自分たちの開発に取り込めるのはそう遠い未来ではないのでは」と感じさせる内容でした。現在のところ私達が開発している巨大な Rails アプリケーションにお手軽に取り込めるものではないようですが、RBS 関連のエコシステムの発展に強く期待するし自分達も取り組んでいきたい! とワクワクする発表でした。

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現在の Ruby の「型」ができるまでのストーリー(独自解釈)を話す id:hogelog

RuboCop in 2021: Stable and Beyond

koic さんの RuboCop の発表については発表内容そのものよりも「hey では RuboCop をどう使っていきたい?」といういかにも盛り上がってしまいそうな話題で盛り上がってしまいました。 「コードスタイルの矯正はいらないのでは」「最低限のルールだけ作って共有して、あとはプロジェクトの好みで」「最低限のルールってどういう」「standard gem でいいんじゃないか」などなど。感想戦の中の一幕だったので特に結論などを決めることはしませんでしたが、別途話し合ってもよいかもしれないと思えるお題でした。

The Art of Execution Control for Ruby's Debugger

ko1 さんの開発しているデバッガの話。ちょうど hey が運営する EC プラットフォーム STORES の巨大 Rails アプリケーションにも debug gem を導入したところだったので注目度の高い発表でした。 ko1 さんの発表そのものではありませんが、発表後すぐに Rails のデフォルトデバッガとして採用されるなど Rails 開発チームのフットワークの軽さにも驚かされるなど面白い一幕がありました。 https://github.com/rails/rails/pull/43187

デバッガについては ko1 さんが Twitter で以下のような募集をしていたのでさっそく hey にも宣伝に来ていただけないか相談したところ、快く引き受けていただけました。開催はもう少し先なのですが、今からとても楽しみです。

PRK Firmware: Keyboard is Essentially Ruby

hasumikin さんの Ruby で記述可能な自作キーボードファームウェアフレームワークの話です。とにかく発表が盛り上がっていました。自作キーボード勢に聞いたところ「設定ファイル放り投げるだけなのめちゃ便利じゃん…」とのことで、使っている技術云々よりもまずとにかく普通に便利ですごい、と。キーボードが Ruby 処理系になる「Ruby モード」のデモをみんなで眺めて大盛りあがりしました。

Ruby Committers vs the World + RubyKaigi Takeout 2021 感想戦 with Matz

とにかく長かった Ruby Committers vs the World と、ほぼそれの延長線のような様相となった RubyKaigi Takeout 2021 感想戦 with Matz。Ruby 開発の空気感の伝わる良い時間でした。

RubyKaigi Takeout 2021 感想戦 with Matz は RubyKaigi 公式で開催されてるイベントではありませんでしたが、多くの Ruby コミッターや RubyKaigi スタッフが参加しており後夜祭のようになっていました。 Array#size?, Array#nonempty? の議論が長々と続いたけど結局持ち越しとなり、その後に提案された {x:, y:} があっさりと通りスムーズにコミットされた流れは見ものでした。 https://github.com/ruby/ruby/commit/c60dbcd1c55cd77a24c41d5e1a9555622be8b2b8

仕事や趣味などでコアに利用しているプログラミング言語を作っている様子がこんなにもオープンにカジュアルに日本語で観測可能なのは Ruby 以外にはなかなかありませんし、Ruby ならではのものだと RubyKaigi の度に強く感じます。

おわりに

一年に一度の RubyKaigi で Ruby という言語、および関連エコシステムの最先端がどう進んでいるかという話をまとめて聞けて、エンジニアとして非常に刺激になるイベントでした。RubyKaigi で得た熱が冷めないうちに知見を開発に取り込むぞ! という機運もとても高まっています。

RubyKaigi そのものから得たものもありましたが、RubyKaigi の発表を元に「hey だとどう使えるだろう?」みたいなことを社内のエンジニアで話したその時間もとても良いものでした。どうしても雑談が減ってしまうリモートワーク環境だからこそ、このような時間をつくっていくのが大事だなと感じています。

RubyKaigi Takeout 2021 の各発表はウェブサイトからリンクされて閲覧可能です。興味を引く発表については閲覧してみてはいかがでしょうか? rubykaigi.org

また、本エントリ冒頭でも露骨にアピールさせていただきましたが hey では現在一緒に開発できるエンジニアを絶賛募集中です。ネットショップ開設、POSレジ、キャッシュレス決済、オンライン予約システムなど、お商売のデジタル化を支援する「STORES プラットフォーム」の展開を通じて、誰もがこだわりをもっと自由に発揮できる社会のために開発しなければいけないものはまだまだいくらでもあると思っています。少しでも興味が湧いた方、ちょっと話をしてみたい方など、ぜひお声がけください。

以下ウェブサイトや、もしくは個人的なお声がけでもお待ちしております。

hello.hey.jp