STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

【イベントレポート】子育てエンジニア&PMによるLT大会 〜仕事と育児、家事のやりくりどうしてる?〜

こんにちは、技術広報のえんじぇるです。3月1日に『子育てエンジニア&PMによるLT大会 〜仕事と育児、家事のやりくりどうしてる?〜を開催しました。イベントを聞きにくるのは子育て中のみなさん、登壇者も子育て中ということで、ランチタイムに開催し、たくさんの方にご参加いただきました!

登壇内容まとめ

STORES ではたらく、子育て中のエンジニア2名とPM2名が登壇しました。

・1日5分!子育て中もインプットを続ける工夫(バックエンドエンジニア/マネジャー 森弘 一茂)
・子育てPMがいるとプロダクトチームは進化する(プロダクトマネジャー 濱窄亮介)
・小3の子がいるエンジニアの昔と今。(エンジニアマネジャー 小室直)
・家族とチームビルディング(プロダクトマネジャー 森山雅子)

1日5分!子育て中もインプットを続ける工夫

森弘からは、1月17日に開催された『【7社登壇】子育てエンジニア達のLT大会』でお話した内容が好評だったので、再演してもらいました。こちらはログミーTechにも記事があがっているので、下記からご覧ください。

logmi.jp

子育てPMがいるとプロダクトチームは進化する

プロダクトマネジャー(以下PM)の濱窄は「子育てPMがいるとプロダクトチームは進化する」をテーマに、PMの役割分担について話しました。

speakerdeck.com

PMがボトルネックになってしまう

子どもが生まれる前までは、17:00〜20:00が仕事がはかどる時間だったのですが、子どもが生まれてからはその時間は子育てのゴールデンタイム。この時間帯に限らず、子どもがいると今までと同じような時間の使い方は難しくなりました。一方で、PMは開発とデザイン以外はすべてやると認識されている環境もまだまだあると思います。その中で、PMが子育ても両立させようとするとプロジェクトのボトルネックになってしまうのではないでしょうか。そうなってしまわないように、PMが価値を出せる領域に集中するしかありません。

PMの業務範囲を見直す

プロジェクトのざっくりとした流れを説明します。これまでは、要件を決める、仕様を決める、スケジュール管理をするのがPMの業務範囲でした。要件や仕様を決める段階でエンジニアに相談することはあるのですが、基本のリードはPMの役割でした。仕様を決めないとキックオフを実施できないので、子どもが寝たあと、深夜に各所へメンションしながら、確認作業を進めている時もありました。この流れを変えたくて、仕様を決める前の要件が決まった段階でキックオフを実施するようにしました。その後の仕様を決める段階はエンジニアとデザイナーにお願いするようにしました。また、スケジュールも提案する形にして、スケジュール管理はリードのエンジニアに担ってもらいました。

3つの可視化

ただ、これでうまくいきました、とはならず。プロジェクトを回してきたPMがいなくなったので、うまく回らなくなりました。私たちのプロジェクトチームでも「プロジェクトの進捗が見えない」「どのプロジェクトを優先すべきかわかわらない」「タスクの抜け漏れが発生」など、さまざまな課題があがりました。このままじゃ崩壊してしまうという危機感があったのですが、PMの業務範囲を元に戻しても仕方がないので、3つの可視化に取り組みました。

1つ目が進捗の可視化。各プロジェクトが何に取り組んでいるのかを記載するプロジェクトステータスを社内Wikiにまとめるようにしました。ロードマップは線で見るもの、プロジェクトステータスは今何をやっているのか点で見るためのドキュメントです。

2つ目がタスクの可視化。開発タスクはGithub Issueで管理していますが、例えば「この仕様について法務の確認が必要」といった非開発タスクをGithub Projectsで管理するようにしました。Viewの切り替えができるので使い勝手もいいですし、開発タスクになった場合にはIssue化にすることも可能なので便利です。

タスクの可視化で、もうひとつ取り組んだのがテンプレートの整備です。社内Wikiにプロジェクト共通のREADME、やるやらチェックリスト、リリース計画のテンプレートを作成しました。

3つ目が役割の可視化です。PMの役割を減らして、エンジニア、デザイナーにお願いするようになったので、宙に浮いてしまうタスクをなくすためにRACIチャートを導入しました。まずはタスクを洗い出し、ロール別で決めていくものです。RACIのすべてを割り振ることはしなくても、誰が主にやるのかを決めるだけでも効果はあるかと思います。

プロダクトチームの変化

これらの結果、PMボトルネック問題は解決できました。現在進行中のプロジェクトに張り付く必要性が減ったので、先のプロジェクトについて考える時間が生まれました。次に、可視化を行ったことで、「プロダクトチームがいい感じに進めてくれる」「期待以上のアウトプットを出してくれるようになった」と体感しています。PMがWHATやWHYにフォーカスし、なぜそのプロジェクトをやるのかがPM、エンジニア、デザイナーで腹落ちして進められるようになったので、それに向かって、それぞれの視点で考えて進めてもらえるようになりました。子育てPMがボトルネックになるのではなく、その逆境を克服することで、自走力の高いプロダクトチームができるのではないかと信じています。

小3の子がいるエンジニアの昔と今。

エンジニアマネジャー 小室は「小3の子がいるエンジニアの昔と今。」をテーマに、子どもが乳幼児の頃はどうだったのか、そして今はどうなのかを話しました。

speakerdeck.com

オフィスで働く時間はリフレッシュタイム

断片的な記憶から乳児の頃の大変さを話してみようと思います。前提として、まず乳児だった頃妻は育休を取得していて、自分はフルタイムでオフィス勤務をしていました。その中で大変だったことは何もかもなんですが、その中でもお風呂に入れる、寝かしつけ、夜泣き対応ですね。とはいえ基本的に僕はオフィスでフルタイムで働かせてもらっていて、オフィスで仕事するのはリフレッシュタイムみたいなものなので自宅に帰ってからは子供のことは自分がメインでやろうという意識でした。まあ乳児の頃はお風呂に入れるのは簡単なんですよね、連れて行けばいいので。でも寝かしつけがなかなか寝ないわけです。1時間ぐらいスクワットしてることもありました。なんとか生活してましたって感じですね。

時間が捻出できるものに課金する

次に幼児期はどうなったかというと、子どもを保育園に入れて妻は時短勤務で仕事を再開、自分はフルタイムを続けていました。お風呂に入れたり、寝かしつけは引き続き大変ではあって、お風呂に入れるのが乳児期よりも大変になりました。ちょっと大きくなると「お風呂に入らない」とギャーギャー毎日言うわけですよね。その攻防戦があって、バスボムを毎日1個ずつ与えたり妖怪ウォッチのメダルで釣ったりと細かいお金を使いまくってましたね。乳児期ほどではないけど、仕事やプログラミング、エンジニアっぽい活動をするための時間の捻出はとにかく苦労していた記憶があります。時間を捻出するために近くの認可外の保育園に入れたり、食洗機やドラム式洗濯機乾燥機みたいな家電を導入しました。YouTubeを子供に見せるのはどうなの? って言われたりもするけども、そんなことは言ってられないので、YouTubeを見せておく、ゲーム機を与えておくなど躊躇せずなんとか遊んでおいてもらっていた記憶があります。

大変ではあったのですが、幸運だったなとも思っていて、8、9年前でも自分の働いていた会社も理解はありましたし、妻の会社は更に子育てへの理解があって自由度が非常に高かったんです。それに子どもがそこまで手がかからないタイプだったり、保活をろくにしていなかったけど家の近くにたまたま保育園ができて入れたりとか。たまたま体調を崩すこともなかったので、運が良かったなという感じですね。

小3の現在は遊び友達に

そして今小学校3年生になってどうかというと、健康的な日々を送っています。僕のとある日の日常なんですけど、9時に寝て、7時ぐらいまで10時間ぐらい寝てますね。流石に毎日ここまでのんびりしているわけでもないですが。朝起きて準備をして、学校に一緒に行って、その後1時間半ぐらいのんびり散歩して、仕事して、仕事している最中に子どもが帰ってきます。宿題がどうしたこうしたとを後ろで言ってるんで、たまに手伝ってあげたり、首を突っ込んだりしながら、時間になったら仕事を終えて、子どもと一緒にお風呂入ります。その後、子どもと一緒にゲームをして寝る。自分が色々してあげなきゃいけない存在ではなくなって、楽しく一緒に遊ぶ友達みたいな感じになったなという印象です。

1番のソリューションは子どもの成長

じゃあ子育ての大変さを解消する一番のソリューションは何だったのかなと振り返ると、子どもの成長だなと強く感じます。お風呂に入りな〜と言ったら「もうちょっと」と言うんですけど、別に入ってくれるわけですよね。夜寝て起きないです。朝まで起きない。むしろ朝なかなか起きなかったりもします。ご飯も食べる。子どもと一緒にのんびりご飯を食べたりできています。そこまで生存するっていうのが一番のソリューションなのかなと感じています。

家族とチームビルディング

PMの森山は「家族とチームビルディング」をテーマに、ともに子育てをする夫とのチームワークについて話しました。

speakerdeck.com

家族会議でチームワークを高める

現在、1歳2ヶ月の息子と夫の3人暮らしをしています。夫婦ともにフルタイムで、基本はリモートワークという働き方です。早速、今日の結論なんですが、やっぱりチームワークがすごい大事だなと思っております。いろいろと大変なことがあったんですが、家族会議をしたことで、我が家はスムーズにいったので、その話をします。

チーム状態ボロボロ期

正直、出産直後はチームワークだ!みたいなことを考える余裕がなく、本当に我が家のチーム状態はボロボロでした。息子が誕生してから、いろいろと問題があったんですけど、圧倒的な睡眠不足と環境が変化したことによるストレスが大きかったです。保育園の入園と職場復帰で、自分自身だけではなくて、私も夫も子供もみんな環境がガラっと変わったので、ストレスや疲れが溜まっていました。子供が保育園に慣れてきた頃には担当プロジェクトが忙しい時期なのに子供が風邪を引くとか。あるあるなのかなって思っております。

子供が生まれてから、子供の影響の大きさや仕事と家庭の両立の難しさをしみじみと感じました。生活リズムを変えたり、夫と私の育児の負担をどう変えようかとか、どういうふうに調整していこうかなど改善しないといけないという気持ちはあったんですけど、日々の忙しさや睡眠不足からくるイライラで、意見の対立、プチ喧嘩みたいなものがすごく増えました。この時の状況を今振り返ると、がむしゃらに日々のタスクをこなしてはいるけれども、役割分担も曖昧だし、でもやらなくちゃいけないものは見えている。お互い思いやりは持っているが、足並みが揃ってなくて、認識のずれが生まれて、言い合いになることが起きてたかなと思ってます。

家族会議の導入

このままだとやばいと思ったので、家族会議をするようになりました。まず最初に、目的の定義から入りました。お互い課題感や改善点、もやもやを抱えている状態だったんですけど、ちゃんと話し合いができてなかったんですよね。それが喧嘩になったりしていたので、家族会議をやることによって、家族の時間をいいものにしたいとお互いが思っていることの再確認を一番最初にしました。この時期は、毎日子供が寝た後、夜ご飯を食べながら家族会議をやっていました。話していたのは、今日の子供の様子や気づいたこと、今日これがうまくいったよとか。あとは学びのシェアって書いてるんですけど、子供をお風呂に入れるときにこういう順番で洗ったらスムーズだったよとか、本当に些細なものだったりするんですけど、そういった情報共有をやってました。要は家庭内KPTですね。毎日振り返りをして、ネクストアクションを決めて、明日トライしてみる。うまくいかなかったから今度こういうトライをしようみたいなことをやっていました。目的が揃ったことによって家族の時間をいいものにするために、改善の施策を回していきました。結果的に健全に議論できるようになったので、家族会議は良かったかなと思ってます。

あらかじめ話す時間を確保しておく

その中でも特によかったポイントは、あらかじめ話す時間を確保しておいたことです。家事をしてるときに話しかけられても、聞く体勢になってなかったり、議論をするのが難しかったりするので、夕飯の時にこの話をしようという時間を持ったことで、冷静に会話できたなと思ってます。

家族会議が家族の思い出に

今は家事と育児、だいたい半々くらいのバランスでやってます。子どもが寝てからの時間を自由時間としてとっているんですけど、おのおの自由に過ごしたりとか、夫婦で晩酌したりしています。今回タイムスケジュールを書き出してみたんですけど、自分の時間だけじゃなくて、家族全員の時間を書き出してみると、発見もあるかと思うので、おすすめです。

その後家族会議の形がどうなったかというと、今も継続しています。月に1回、第3日曜日のおやつタイムに話そうと決めて、1歳2ヶ月の子どもも一緒に参加して「今月の家族会議を始めます」みたいな感じでやってます。最近は日々の生活も安定してきたので、振り返りというよりかは、これからやりたいこととか、先の話ですけど、子どもの中学受験をどうするかみたいな話をしたり、流行病についての情報のシェアだったり。iPadで議事録を書いているので、それも定期的に振り返ることで、あの時こういう話をしてたね、みたいな、この家族会議自体が家族の思い出になっています。

最後に、仕事と家庭の両立には子どもも含め、チームワークが不可欠です。なので今回は家族会議を紹介したんですが、各家庭にあったバランスを見つけるためにも、ぜひ家族会議をやってみてはいかがでしょうかというお話でございました。

Q&A

ここからはQ&Aでいただいた質問とその回答を紹介します。

Q. 逆にやらなくなったこと、やらないと決めたことがあったら聞いてみたいです。

森弘:もともと私は野球が趣味だったので、プロ野球の試合を毎日見たり、アマチュア野球をウォッチしていて、次のドラフト候補はこの人かなみたいなのをやっていたんですけど、それはやめました。各社のテックブログを結構ウォッチしてたんですけど、それもやめましたね。みんながこれいいよって言ってるものを聞いて、読むようにしました。

小室:よくわかる。時間の確保のために、やっていたことをやらなくなる。逆に僕は今、余裕が出てきたので、最近ふと生活の中に余裕がある時があったりするんですよね。あれ?って思って、そういえば昔ゲームとかやってたなみたいなことを思い出して、ゲームをやったりして。子育てで忙しくて、この辺は一回全部切り捨ててたんだと。

濱窄:いつか取り戻せる日が来るっていうことですよね。

小室:おそらく。

 

Q. 1日のタイムスケジュールが大幅にずれた時に、リカバリーなど行っていますか?

森山:私の場合だと、MAXで子供が1週間休んだときがあったんですよね。そのときは、子供を優先度を1番にして、調整できるところは調整していました。PMに限らずだと思うんですけど、小さい子供がいるといつ休むかわからない、何日続くかわからなかったりするので、そういう事態が起こったときにどうするかをあらかじめ想定しながら日々仕事をしています。

加藤:STORES だと、社内Wikiにドキュメントを残すカルチャーがあるから引き継ぎやすい。自分も残すように気をつけてますね。

森山:完全に何かの仕事が止まるっていうのは起きないかなって思います。

濱窄:1日のタイムスケジュールが大幅にずれた時なので、もしかしたら、例えば休日に出かけていて帰りが遅れて、もともと5時からお風呂入れて、6時から夕飯食べて、8時には寝かせるみたいな。うちはタイムスケジュールをしっかり管理してるんですけど、家に着くのが7時ですって時には、お風呂を捨てるとか、帰り道の途中でパンを買って食べるとか、なんとか睡眠時間を確保しようと調整してます。

 

私自身も働く母親として、参考になる話がたくさん聞けたイベントでした。好評だったので、同じテーマでのイベント開催を検討しています!こんなテーマで話してほしい、こういう事例が聞きたいなどあれば、下記のフォームよりお送りください。

 

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