こんにちは @tomorrowkey です。
STORES はいくつかの会社が集まってできた会社という経緯から、それぞれの組織のGoogle Play Developer Accountを持っており、それらをそれぞれの部署によって管理してきました。
一方で先日Google PlayからApp Storeと同様にD-U-N-S番号が必須になることがアナウンスされました。
android-developers.googleblog.com
すでに新規開設にはD-U-N-S番号が必須となっており、既存アカウントについては10月に設定方法について詳細な続報がリリースされる見込みです。 D-U-N-S番号は企業を一意に識別するコードなので、1組織で複数発行できないため、STORESでは複数あったGoogle Play Developer Accountを1つに統合しました。
このエントリーではその具体的な方法を紹介します。
統合する方法
実はGoogle Play Developer Accountを1つにマージする方法はありません。 ではどのようにして1つに統合したのかというと、保有しているアプリを1つのGoogle Play Developer Accountに移行することで、実現させました。 一次情報としては、Google Playからヘルプページが用意されていますので、こちらもご参照ください。
STORES では、STORES 決済で管理しているGoogle Play Developer AccountにSTORES ブランドアプリのアプリを移行するアプローチで進めていきました。
統合前の準備
移行するにしてもいきなり作業をすすめることはできません。 必要な情報を集めたり、ステークホルダーへの説明をしました。
ステークホルダーへの説明
所属するアカウントが変わるので、多少なりアプリを利用しているオーナーさまにも影響があります。そこでCSやビジネスチームに説明するために影響範囲をまとめて共有しました。 実際のGithub Issueのスクリーンショットがこちらです。
変わることだけではなく、特にステークホルダーが気にする部分の「変わらないこと」を書いておくととても安心してもらえます。
アクセス権限の整理
移行元で操作していたことが、移行先でも同様に操作できるようにあらかじめ権限周りを整理しておく必要があります。 Google Play Developer Accountでは、アプリごとにどのような権限を割り振るのかロールを作成できるので、エンジニア、CS、ビジネスチームで、それぞれどのような権限が必要か棚卸し、アカウントを作成しました。
Google Play Developer Account開設時の取引IDを確認する
これがアプリ移行のための最大の難関となるのですが、アプリの移行のために必要となる情報として、アカウント開設時の取引IDが必要になります。 この文字列はアカウント開設時にレシートにちょろっと記載があるだけなので、どこかに控えている人の方が少ないのではないかと思います。
当アカウントにおいてもそれに漏れず、どこかに控えられているわけではなく、その文字列を発掘する必要がありました。 最終的には、アカウントオーナーのGoogle Paymentに「Google Play 開発者トークン」という名前で$25の取引履歴があり、その取引IDが該当しました。 *1
移行作業
準備が整ったので、移行作業をすすめます。わかりやすいように全体の流れをシーケンス図にまとめました。
Google Play Developer Account (移行元)
から Google Play Developer Account (移行先)
へアプリを移行する流れを図示しています。
①: 移行フォームからリクエストを送る
必要になる情報は次のとおりです。
- 移行元のアカウント取引ID
- 移行先のデベロッパーID
- 移行先のアカウント取引ID
- 移行の理由
- 移行先のアカウントとの関係性
- 移行するアプリ
概ねかんたんに準備できるものばかりですが、取引IDだけが準備の難易度が高いです。がんばって発掘しましょう。*2
移行作業はアカウントオーナーでログインのうえ作業する必要があります。
⑤: 移行リクエスト
移行先のアカウントオーナーに対して移行リクエストがメールで通知されます。 内容に問題なければ承認できます。
承認した時点で、移行作業としてやることは完了で、Google Play側の移行作業を待つことになります。
⑪: 移行完了
Google Playで移行が完了したら、アカウントオーナーに対して移行完了の通知がメールで届きます。
実際にかかった時間
実際の時系列としては、9/4に移行リクエストの承認まで完了し、9/7に移行完了のメッセージを受けとっていました。 情報がそろいさえすれば、4日ほどで移行完了したということになります。
最後に
アプリを移行できることは知っていたのですが、実際に作業してみたのは今回が初めてでした。
実際にやってみると、時間もそこまでかからないし、大変な作業ではないなといった印象でした。
私自身が今後何度もアプリ移行することはないかと思いますが、アプリのバイアウトや組織の変更によるアプリ移行するケースは世の中的にはよくあることではないかなと思いますので、ぜひその際は参考にしてみてください。