2024年2月13日に『YAPC::Hiroshima 2024 非公式ふりかえり会』を開催しました。イベントでお話した内容を文字起こし形式で紹介します。
登壇者紹介
STORES
- hogelog:YAPC初参加
- ヨヨイ:YAPCは3、4回参加経験あり
- hiromu:YAPC初参加
- 藤村:YAPC初参加
- えんじぇる:YAPC初参加
スマートバンク
- 三谷:YAPC初参加、YAPC::Hiroshima 2024でベストスピーカー賞を受賞
- nyanco:YAPCスタッフ
前夜祭の感想
hogelog:『YAPC::Hiroshima 2024 非公式ふりかえり会』を始めていきます。ぜひYAPCのスタッフだった方や登壇してた方などなど、喋ってもいいですよという方はぜひ挙手をしていただけると嬉しいです。
本日の登壇者側で喋る人を紹介させていただきます。私はhogelogです。YAPCは今回が初めての参加で、Perlはたまに触ったことがあります。
ヨヨイ:ヨヨイです。YAPCの参加は3、4回目くらいです。STORES からはYAPC初参加じゃない人として参加しました。
hiromu:去年2023年卒で STORES に新卒で入社して、YAPCに初めて参加しましたhiromuです。お願いします。
藤村:こんにちは、藤村です。STORES でCTOをやっています。Webエンジニアとしてのキャリアは20年近くになるんですが、YAPCは初参加でした。PerlはCatalystっていうフレームワークをちょっと触っている時期がありました。
hogelog:ありがとうございます。えんじぇるさんは喋れるかしら?
えんじぇる:えんじぇるです、技術広報をやっています。YAPCは初参加でした!楽しかったです。よろしくお願いします。
hogelog:今回 STORES はシルバースポンサーと学生支援スポンサーとして参加させていただきました。早速タイムテーブルを見ながら振り返っていきましょうか。前夜祭から本編まで盛りだくさんで、ひとつひとつ取り上げていると1時間では足りないのですが。キャッシュバスターズの感想を聞きたいというえんじぇるさんのコメントがありました。なんで感想を聞きたいのか教えてください。
えんじぇる:すごく面白かったんですよ。私は非エンジニアで全然プログラミングができないけど、キャッシュバスターズの話は面白かった。会場からの質疑応答の時間で、お二方に切ってもらいたい雰囲気が出てて、それも面白かったんですよね。
hogelog:キャッシュを無闇に導入しているようなところを、なんかうまいことできないですかみたいな質問がいっぱいありましたね。あの2人、壮大さんと大仲さんの話の内容自体は我々Webエンジニアにとっては馴染みのある話題で、そうだねっていう感じではある。
藤村:意外とみんなキャッシュで事故ってるんだろうなって思いましたね。
hogelog:ちょいちょい事故ってるんだけども、事故った時もキャッシュ自体をなくすわけではなく、その時のこういうキャッシュの仕方をしてたからよくなかった、この条件を変えようってやればその時の事故自体は大体一応防げたりするんですね。その場その場の工事をして、大変なことになっているキャッシュが世の中にはいっぱいあるっていうのは想像に難くないわけで。 そもそもキャッシュを無闇にやるのをやめようみたいなのを言ってほしい人の声がいっぱいありましたね。
「キャッシュは麻薬」というのも言いえて妙で麻薬って医療用に使ったりもするじゃないですかって話は確かにってすごい思いましたね。
藤村:麻薬って侵襲的な治療、手術とかをする時に使うか、もしくは苦痛を和らげるために使うわけじゃないですか。それって例えば侵襲的な治療をやる場合は根本治療にいけるけど、苦痛を和らげる状況で使うとそれはそれで違うかなって。前向きな治療をする時以外はキャッシュは使わない方がいいのかもしれないと思ったり。
hogelog:麻薬という例えが意外と示唆に富んで面白かったですね。
藤村:僕はその後大仲さんと話してたんですけど、キャッシュを入れる前にEXPLAIN ANALYZEしようとかはありそうだなとか。クエリのチューニングである程度のところまでいけるでしょうみたいなのもありますよね。
hogelog:ちゃんと見ようと。
藤村:そうそうそう。
hogelog:個別の話を取り上げないと言いつつ和田さんの発表について言及したくなりました。、和田さんが発表してることについての感想になっちゃうかもしれないですけど。和田さんって元々ボケてとかいろいろ個人開発みたいなのもで有名だった人で、Webフロントエンド技術で有名だった人ではないですよね。20年前にWebフロントエンド技術で有名だった人は基本いないので当たり前かもしれませんが。
ヨヨイ:和田さんってyusukebeさん?
hogelog:yusukebeさんです。t-wadaさんっていう人もいるんでややこしいか。yusukebeさんは今、Webフロントエンドというモダンな技術の最前線のオープンソースでめちゃくちゃ活躍してる。その話を聞けるっていうのはなかなか個人的にかなりエモいなって。僕はyusukebeさんよりちょっと世代が下かと思うんですけど、だいたい同じなので、そういう人が最前線で活躍しているのはめちゃくちゃにエモいなと思いました。
藤村:日本人が作者のOSSプロダクトでグローバルアダプションに成功してるのはマジですごいなって思いました。数は少ないと思うんですよ、そんなに多くないはず。すごいですよね。あとはCloudflare Workersが一体フロントエンドなのかっていうとよくわからん。
hogelog:フロントエンドかというと、そうですね。
藤村:サーバーサイド、サーバ?
hogelog:サーバではある。フロントだったりサーバだったり、どこでも動く。
藤村:話を聞いててアイランド・アーキテクチャとか、特に予告なく使われてたけど、みんな知ってるのかなって思った。それと同時にHonoの話を聞いてるとエッジ・コンピューティングの普及でフロントエンドとバックエンドともつかない技術がめっちゃ発達してるのがやっぱり面白いなっていうのを思いました。
サーバーサイドでレンダリングして、ここの部分はアイランドにしてハイドレーションしますと言っていて、俺たちがブラウザで何かを表示するまでの技術はどれだけ未来まで来てしまったんだ、って思いましたね。
hogelog:YAPC がどういうものなのか、予習イベントやヨヨイさんにどんな感じのものとして捉えて参加したらいいかは聞いたんですが、前夜祭の最初の話がHonoの話っていうのが非常によかった。Perlじゃないっていう。
藤村:あとキャッシュバスターズにもうひとつ追加すると、マテビューでできたマテビューっていうのがテンション上がりました。絶対やっちゃいけないけど、やってみたくなるやつ。
hogelog:番宣リレーのことにも触れちゃおう。番宣リレーもYAPCの空気を感じられてよかった。えんじぇるさんも喋りましたね。事前にそんな枠があるってちゃんと把握してなかったけど、飛び入りだ、誰が喋りに行きます?と直前に相談して、えんじぇるさん行きますかみたいな。感想はどうですか?
えんじぇる:反省点があるんですけど、1分の時間の把握が難しかったですね。時間を余らせてしまって、余らせた時間を有効活用できない自分の器量のなさを感じてすごく悲しかった。
hogelog:腕立て伏せをするかしないかみたいなくだりもありましたけどね。*1 上手な人たちはうまいことリレーしていたのがよかったですね。僕も最後に駆け込みで無理やり喋ったりしましたが、積極的に首を突っ込んでいきたいですね。
三谷さんのチャットのコメント「前に立つと頭空っぽになるので上手く喋るのむずいのわかります」
hogelog:お、ベストスピーカーからの発言。もしよければ話してください。
三谷:ありがとうございます。
hogelog:ベストスピーカーを受賞した話を聞いていこうと思います。ちなみにYAPCの参加歴は?
三谷:今回が初めてだったので、ベストスピーカーをもらえるなんて1ミリも思ってなかったんで、もう本当に驚きと嬉しい気持ちですね。あとちょっと番宣リレーの話をしたいんですが、トークはめちゃめちゃ準備したんですけど、番宣リレーは準備するものじゃないと思うんで、あそこに立ったら緊張して何を言っていいのかわからないって感じでしたね。
hogelog:番宣リレーのところで個人的には反省があって、スマートバンクさんの人たちがいっぱい番宣していて、そうやってどんどん出て行って喋らなきゃなって思ったんですよね。
三谷:自分の番宣の直前がうちのおおばさんで、おおばさんがいきなり「冪等冪等冪等」って笑いをとってくるので、めっちゃハードル上げるじゃんって思いながら、ドキドキしながら喋りました。
hogelog:番宣に行こうっていうのはみんなで示し合わせたとこがあったんですか?
三谷:YAPCのスタッフをやっているnyancoさんがスマートバンクにいて、前日に番宣リレーをやりますっていうのが告知された時に「みんな前に立ってね」と言われてたので立つことは決まってましたね。
hogelog:なるほど、素晴らしいですね。
ヨヨイ:スタッフが身内にいるとそういうプレッシャーをかけてくれる人がいていいですね。
三谷:そうですね。
hogelog:その辺のムーブが素晴らしいなって思いました。
三谷:うちのosyoyuさんが本当は漫才する予定だったんですけど、直前でやっぱり恥ずかしいからやめようみたいな感じになりました。
hogelog:いいですね。出てこなかった漫才の話はぜひどこか別の場でよろしくお願いします。どこでお披露目されるのか。
三谷さんのトーク
hogelog:本編のトークはどうでしたか?
三谷:カード決済の話っていろんなプレイヤーがいらっしゃって、STORES さんから見たときの決済の仕組みとかもあるし、カード発行会社からの話もあって、喋って説明するのがめっちゃ難しいなと思ってたんで、2日前からすごい練習してたんですよね。スライドの順番も入れ替えたりとか。そこら辺が功を奏してわかりやすいとみなさんに言ってもらえたので、それが本当に嬉しかったですね。わかりやすく説明するというところがしっかり伝わったっていうのがすごい良かったかなと思いますね。
hogelog:ヨヨイさんは STORES 決済 を担当していて、決済の手前のところまでのシステムを見ているわけですが、トークを聞いてどうでしたか?
ヨヨイ:私は加盟店側というか、カードを発行する側とは向かい側の会社にいるんですけど、見えてる景色って全然違うなっていうのがこの発表を聞けて良かったなと思ったところです。構造自体は知ってますが、どういう通信がされているのか、どういうところが大変なのか。特に最初に与信をとってきて、その後実際に決済の金額が決定するっていうところ、マッチングをするっていうのがこのトークの肝だと思ってるんですけど、そこの泥臭い部分を聞けたのがよかったかなと思います。
三谷:懇親会でお店側の人たちと喋った時に、VisaとMasterとAMEXでオーソリというか、仮売上の取り扱いがちょっと違うので、そちら側を作る人はハマるという話を聞いて、結構面白かったですね。自分はVisa以外のブランドがどうなってるのかを全然知らないので、そこが面白かったです。
藤村:CardKaigiをやったほうが面白いんじゃないですか。
ヨヨイ:それはまじでやりたいと思ったんですよね。
三谷:やりたいですね、本当に。
藤村:CardKaigi、エンタメとして面白すぎる。
三谷:いろんなプレイヤーを集めてやりたいですね。
始まりましたー!満員です#yapcjapan #yapc_b pic.twitter.com/O4RFeuCfEA
— SmartBank Tech (@SmartBankTech) 2024年2月10日
hogelog:人がいっぱい、満員ですね。泥臭い話かと思いきやみんな関心があるという。
三谷:いろんな人に聞いてもらって本当にありがたかったですね。YAPCはゲストスピーカーの方が強すぎるんで、誰も来ないよなと思ってましたよね。
ゲストスピーカーのトークととほほさん
hogelog:ゲストスピーカーの強さにちょっと触れてみますか。
藤村:僕は割とゲストスピーカーの方をずっと聞いてました。y_matsuwitterさん(松本勇気さん)くらいから聞き始めたんですけど、なんか意思が面白いなと思って。僕が経営で意識してる意思ってwillの方なんですけど、ワイマツさんの資料を見たらconvictionになってて、なるほど、convictionだったっていうのが、面白かったですね。ピンポイントな感想だな。
hogelog:CTOトークでしたね。僕は『経営・意思・エンジニアリング』を聞いてて思ったのが、僕もマネージャをやっているんで、プログラミング以外のところには手を広げているものの、あんまり経営とか、投資家観点みたいなところにあんまり意識を広げてなかったなというのを感じました。松本さんはそこら辺も自分の領域と捉えながら仕事してるんだなと思って、今今そういう領域に手を出す気持ちにはそんなになっていないものの、そっちもやっていくのは価値があるんだろうなって思いました。
藤村:あとは経営とかマネジメントとかの仕事をエンジニアリングっていう道具で理解するっていうようなプレイスタイルの話だったと思うんですけど、自分の使える道具は汎用性があるものが多いんで、それで他のものの解像度がつくっていうのは面白いよなって思いました。
hogelog:タイムテーブルの順番通りではないですが、キーノートの話をしましょう。
藤村:もうエンタメでしかない。
ヨヨイ:キーノートって公開されるんですかね。
hogelog:おそらくされるんじゃないですかね?
ヨヨイ:YAPCに参加した人は大体見てると思いますけど、YAPCに参加されていなくてもぜひ聞いてほしいですね。40分があっという間でした。
hogelog:ものすごく良かった。なんか全部淡々としていて、まあこういうのをやったんですよって話だったんですけど、それがすごい良かったですね。やりたくて、こういうふうにやっただけなんですよね、それがすごい価値のあることで。かなり感動してしまいましたね。
藤村:あとなんか僕の感想として一番残っているのは、さまざまな領域にアプローチ可能な方法を一個支えとして持っておくっていうやり方だったと捉えたんですけど、それがめっちゃスマートだなと思って聞いてたな。
hogelog:SNSの反応などを見ても、各歴々のCTOや名だたる人たちが「とほほさんで育ちました」「とほほさんだ!」と反応してて、僕らはそういう世代ですよねみたいな気持ちになってよかったですね。
藤村:飲みながらもう一回見たいですね。
ヨヨイ:とほほさんの話っていうのは、インターネット以前のコンピューティングの歴史から入ってきた。野良のエンジニアがこういうふうに成長していくのねみたいな。成長って言うとすごいおこがましいですけれど、今我々が当然あるものが当時はなかった、そこから積み上げていく、どの方向にいくかよくわからないというところから攻めていってる。亜流じゃなくて正攻法のような話に聞こえたんですよね、使っている技術や技術選定とか。その辺の話が一本の道でこう見えて、それがとほほのWWW入門のようなWebサイトとして現れている。そこがつながってるんだというのがすごくよかったですね。
藤村:20年前に空手と柔道は黒帯を取ったんで、総合格闘技とかはちょっとできるんですよねみたいな感じの話だった。
hogelog:普及する仕様と普及しづらい仕様の話もありましたね。XMLRPC、SOAPとかはごてごてすぎて流行らなかったけど、XMLHttpRequestみたいなふわっとしたのは普及していったり、IPv6は一応普及したけども、大変なものだから普及するまで結構時間かかっちゃったよねみたいな視点も、とほほさんが言うと確かにそうなのかもなみたいな気持ちになったり。
藤村:バークリー vs MITみたいな話ですよね。
hogelog:Linuxはふわっと使えて広まった、壊れないスーパーコンピュータみたいなものよりも壊れちゃうけどもどんどん入れ替え可能なシステムが流行っていくみたいな話とか、色々といい視点がありましたね。
三谷:終わった後にとほほさんと話してたんですけど、「ひとつのコンテンツをどのぐらいで作るんですか?」って聞いたら「大体2週間ぐらいでやる」って言ってましたね。勉強したこと大体すぐ忘れるって言ってて、もう一回コードを書こうとした時に自分の投稿を見るって話をしていて、自分たちで言うブログを書いてるみたいな感じで、とほほさんはウェブサイトを運営してるのかなと思って、それがすごい共感できるポイントでした。勉強のためにやってるし、自分たちが新しい技術に触れた時にブログ書くようなのとまったく同じ感覚でウェブサイトを運営してて、すごい面白かったです。
hogelog:いいですね。「なんで続けられるんですか?」の質問に対する回答がめちゃくちゃあっさりしてたのがすごい良かった。
三谷:Xで誰かがポストしてましたけど、今回のYAPCのテーマである「what you like」にリンクしてて、一番綺麗な終わり方したよなって、まさにその通りだと思いました。
hogelog:キーノートの最後の質疑応答の回答としてね、最高のキーノートでしたね。僕はとほほさんのWWW入門、CGI入門とかでプログラミングをし始めたので、そのとほほさんに会えたことが心に刻まれて良かったって感じなんですけど、そんな感じであの人と会えた、あの人と喋れたみたいなのは各所で参見されたなと思いました。みなさん、どうですか?
えんじぇるのチャットのコメント「Xにも書かれていたけど、t-wadaさんを見たときに、うわ!t-wadaさんだ!!!てなりました」
hogelog:t-wadaさんに会ったことがない人もいっぱいいますよね。 STORES は前夜祭後にSTORES Beer Bash〜YAPC::Hiroshima 2024出張版〜をやっていて、そこにも色んな人に参加いただきました。
藤村:楽しかったですね、ビールも美味しかったし。
hogelog:いいお店でしたね。
藤村:食べ物がめっちゃ美味しかったですね、ビールもさることながら。名店って感じでした。
hogelog:YAPCも広島も楽しんで行ってください、みたいな感じもあってよかったですね。本編の話に戻りましょうか。
トークの感想続き
ヨヨイ:面白かったトークなんですが、『rakulangで実装する!RubyVM』ですね。YAPCなんでPerlの話もしたいなと思って。rakulangを知らない方もいると思うんですが、かつてPerl 6と呼ばれた言語ですね。なので、ここでしか聞けない話題かなと思ったし、いいトークでした。STORES はRubyの人たちが多く、またRuby自体を開発している人もいるので、結構なじみのあるトピックではあったんですけれど、ちょっとずつ言語解釈できる君を地道に実装されているんですよね。プロポーザルを読んでたんですけど、応募時点ではまだできてなくて、応募してからここまでやったよっていうところを積み上げていったという発表が聞けてすごく印象に残ったいい発表でした。
hogelog:スクリプト言語でスクリプト言語のVMを作ることが意外とできたりして、むしろスクリプト言語で作ると段階的に作れるんで楽しかったりするというような話もあったんですかね。この発表を僕は聞いてないので、把握してないのですが。楽しそうなトークですね。
藤村:僕はnaoyaさんの発表を聞いてました。スライドの2枚目からおいてけぼりな感じで面白かった。プログラミングで扱う対象を代数で扱える対象として考えると色んなものがうまくいって、その中に関数プログラミングのパラダイムも入ってるし、関数プログラミングに出てくる型システムのパラダイムも入ってる。それでプログラムをとらえると何かと便利なんだという話だと僕は理解していたんですけど、代数の気持ちがわかった人が話してるけど、代数の気持ちがまだわかってない人はどういう気持ちになるんだろうかと考えて、面白かったです。
三谷:自分も聞いてました。めっちゃ面白かったです。
藤村:いきなりこれが出てくるんですよ。僕はHaskellがすごい好きなんで、naoyaさんはどこまで突っ込んで話すのかなと楽しみに見てました。
三谷:すごい説得力があって、自分はHaskellも関数型プログラミングもほぼやったことがないんですけど、この型と関数型プログラミングに対してすごいやりたいなと思ったし、イメージが湧きました。最近Rubyに型を入れるかみたいな話題があるかと思うんですけど。自分はそこでちょっと懐疑的に思っている部分があったんで、その考えをちょっと変えてもいいかもなって思うぐらい良かったです。
hogelog:話を聞いてないので、資料を見てのコメントになりますが、Reactとかウェブフロントエンドの技術はそういうエッセンスが出るよねっていうのはたしかにそうですね。
藤村:Reactの最初の実装はOCamlなんですよね。
hogelog:そっか。Metaの中にいる関数型に強い人たちの影響を受けていそう。
藤村:Hooksもすごい、State Monadちょっと誤魔化した感じのAPIになっているなって見た瞬間に思うみたいな。Reactは型付きのプログラミング言語の影響を受けていると思う。でもこんなにわかりやすく話せるのか、やっぱりすごいなって思いましたね。65枚目ぐらいで、Monadの話をする寸前まで来てるんですよ。詳細割愛とされている詳細というのが、これを全部統一されたAPIで扱えるのがHaskellのMonadってやつで、MonoidとかFunctorとかがあって、Haskellではこんなヒエラルキーがあって、便利な仕組みみたいな話にいきそうでいかないってのがよかったです。
HaskellとTypeScript間のスペクトラムみたいなやつ、どこまでHaskellにあるような型システムを真面目に実装して使いやすくするか、の段階があると思うんですよね。TypeScriptは大きく諦めてやっていて、naoyaさんのトークでも直和型がいかに便利かって話がでてきたんですけど、直和型って直接的なサポートがTypeScrptだとできない。それはTypeScriptが代数データ型をそのまま丸ごと使えるようにはしてないからだと思ったんですけど、多分、代数データ型をTypeScriptに入れると型システムのパズルが超だるくなるんですよ。Haskellもパズルの解読が大変な言語なんですけど、パズルの解読が登場しないぐらいスパルタンにするのか、それとも覚悟を決めて難しいものができるようにするのかっていうのは、道具の設計としてはめちゃくちゃさじ加減が求められるところなんですよね。バリバリの設計をしないことを想定されている型システムで、バリバリ系の型設計をするとすごい難しくなるとか、その逆があるので、そこら辺のさじ加減の話も誰かどこかでしてくれないかなって思いました。
hogelog:その辺の話になると、弊社の人で言うとmameさんを呼んできて、型とは何ぞやみたいなところとか話してもらうといいんですかね。型会議。
今日言及したトークがそんなにたくさんあるわけじゃないですが、その中だけでもYAPCの広さがすごいですね。Cloudflare Workersやブログの話、エモい話もいっぱいありましたし。
ヨヨイ:SMTPの話をXの方で取り上げてくださってる方がいるんですが、この中でこのトークを見た人はいらっしゃいますか?
藤村:僕も気になってた。
hogelog:見に行きました。SMTPの現代事情やDMARCの対応など、全部のことをしっかり説明していただいたという印象でした。
ヨヨイ:azumaさんはご自身のことをメールの人ですと去年紹介されていました。スライドを見ると、いいトークだったんだろうなと思いました。
hogelog:今後の日本の認証技術や大量配信の注意点など、粛々と語られていてよかったですね。資料以外のところのその場で聞けた話としては、どれぐらいの配信件数だったらどのぐらいのIPアドレスでやっていくみたいな肌感は資料に現れていないメールに向き合っている人のいい感じの話でしたね。1日数万件とか送るような場合にはIPアドレスを膨大にしなくてよくて、2、3のIPアドレスで普通に回していくのがいいとか。IPアドレスを大量に運用しちゃうと、むしろ怪しくなるからあんまりそんなことはやらない方がいいんじゃないかみたいな話もあって。
ただその辺に関してはメールとずっと向き合っているazumaさんであっても決定的な答えを持っているわけではないが、肌感でちょっとずつやっていくという話で、難しいんだなって思いました。今メールに関しては厳しくなっている時代なのでしっかりと向き合うという意味でいうと、この話は情報がまとまっていて非常に有用な話になるかなと思います。SNSでもYAPCに参加してない人が反応していましたね。動画が公開されてから資料と一緒に見るとよさそうです。
運営スタッフから見たYAPC::Hiroshima 2024
えんじぇる:nyancoさんが来てくれたので、パネリストにしました。
nyanco:こんにちは。
hogelog:今回スタッフをしていたnyancoさんですね。
nyanco:お疲れ様でした。
hogelog:nyancoさんにはどの話を聞こうかな。
nyanco:今回、私はトークを全然聞いてないんで、みなさんの感想を聞いてほーって思ってます。
hogelog:そうですよね、トークは聞けないですよね。
nyanco:私は受付とかにいたんで、持ち主のわからないものを誰のだ!って言いながら待ってるみたいな、そういう感じで出動しておりました。
hogelog:落とし物があり、なんとか見つかったりみたいなのがありました。
nyanco:カード見つかってよかったですね。カードが一番ハラハラしました。毎年財布とかスマホとかは、1つ2つ届く印象があるんですけど、カードは初めてでしたね。みんな気をつけましょう。
hogelog:全体の感想としては非常に楽しかったし良かったなって思ったんですが、運営側としてはどうでしたか?
nyanco:今回最後に言ってたと思うんですけど、規模がめっちゃ大きくなってしまったという言い方の方が正しいかもしれないんですが、会場もすごく広いところ用意できて、めっちゃ規模が大きくなったので、地方開催だし、来てくれるのかな?参加者集まるのかな?っていう不安がなんとなくあったんですよね。ただ最終的には埋まったのでよかったですね。去年は京都でやってみて、京都は今回より少なかったし、それこそはてなさんの地場があって、Perlと言えばはてなさんみたいなところもあるので来るでしょうって思ってたんですけど。広島はPerlコミュニティが元々あったわけではないところでのチャレンジだったので、来るのかな?て思ってたんですけど、いっぱい来ていただいてよかったなって思いました。
hogelog:我々は5名で参加したんですけど、色んな会社の人たちがいっぱい来てましたね。
nyanco:そうなんですよね。前回も初めて来ましたって人は多かったんですけど、今回は若者とレジェンドの融合がすごく多くて、若者が来ないとコミュニティは廃ってしまうので、そこは運営のみんなも良かったねって話をしてましたね。
藤村:僕は初参加だったんですけど、コミュニティが混ざるのもすごい面白いなと思いましたね。
nyanco:うちの会社はどっちかというとRubyコミュニティに参加してる人が多くて、YAPC怖いって言われて。怖いって何?みたいな、知らない人が多いからわからない、ドキドキするってみんな言ってましたね。PHP界隈の人たち、翌日関西に行ってて元気すぎましたね。
hogelog:コミュニティの交流がありましたね。
藤村:PHPのドライブ感がめっちゃ良かったですね。
ヨヨイ:YAPCはどんな言語でも取り入れる感じというか、いろんな人がいても変じゃない感じがあるので、土俵としてすごく良かったなと思います。
nyanco:私はあんまり他のカンファレンスに行ったことはないんですけど、RubyKaigiだとRubyist多いな〜っていう印象はありますよね。YAPCは昔Perlを書いてましたという人もいれば、書いたことないけど楽しそうなので来ましたみたいな人も結構いて面白いですね。
hogelog:我々もスポンサードしたわけですが、学生スポンサーの仕組みをカンファレンス側で用意してくれてるのもいいなって思いました。
藤村:Amazonギフト券を学生座談会に参加した学生の方に配るっていうのはめちゃくちゃ機能して懇親会では学生の方と半分以上話せて楽しかったですね。
hogelog:それぞれ各社の人とマッチングさせていたので、その会社の人を捕まえて「何々さんはどこにいますか?」みたいな感じでクエストが発生していて、それはそれで会話のきっかけになって良かったですね。
nyanco:ぼっちで来ても会話せざるを得ないみたいな状況があると、一人で来ても喋れますよね。一番悲しいのってネットで盛り上がってたから来たけど、なんかボッチになってましたみたいな。それで帰られるのが一番悲しいし、学生さんだとそもそもこういうイベントに来たことがない人とかいらっしゃるかなと思うので。今社会人をやってる方でも、YAPCの学生支援で参加して良かったからと来てくれたり、今回スタッフをやってる方にも学生の時に学生支援で来ていた人もいるので、そういうのはどんどんやっていければいいですよね。
ヨヨイ: オフィシャルの懇親会があったっていうのはやっぱり良かったですね。
nyanco:5年ぶりでしたっけ?去年はさすがにやめとこうっていうのでやらなかったんですけど、やっぱり懇親会は必要ですね。本当にあって良かった。
hogelog:その後の懇親会やアフターイベントにもとほほさんが来てくれて、そっちでも会話が盛り上がってたとSNSでは見かけたりしました。STORES はYAPCに協賛する、会社として参加したのも初めてだったんで、会社としての経験値はゼロからみたいなところからだったんですけど、藤村さんはどうでしたか?
藤村:面白かったですね。さっきも話したんですけど、コミュニティが混ざるのがすごい面白いなと思ったのとWeb技術全般で話を聞けるっていうのも面白かったので、誰でも連れてこれる、懐の深さを感じました。僕はRubyコミュニティ育ちなんですけど、YAPCがこの日本のエンジニアコミュニティの中心として生まれたんだなっていうのをなるほどと思って見たりしてたので、良かったです。めっちゃ楽しかったです。
えんじぇる:運営いただきありがとうございました。
藤村:ありがとうございました。
hogelog:藤村さんの話にもありましたが、良かったなってすごい思いました。次回がもしもあるのならば、盛り上げる側をいろいろやっていかなきゃなと思いました。では時間なので、終了しましょうか。STORES が開催したイベントですけども、喋りに来てくれてありがとうございました!
三谷/nyanco:ありがとうございました。
hogelog:参加していただいたみなさんもありがとうございました。(完)
【宣伝】イベント情報はXでチェック
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*1:編集注:RIZAPの方は余った時間で腕立て伏せをされていました、RIZAPさんらしくて素晴らしい