STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

Kaigi on Rails 2025 参加レポート〜2名が登壇&STORES CAFE for Womenを開催しました〜

登壇直後のmorihirokさんと撮影した集合写真

こんにちは、技術広報のえんじぇるです。
STORES は、9月26日・27日に開催されたKaigi on Rails 2025に協賛し、Anti-bocchi lunch sponsorとして女性向けランチ会STORES CAFE for Womenを開催しました、また、2名が登壇しました!

このブログではKaigi on Rails 2025に参加したメンバーから印象に残ったセッション、出来事について聞きました。それぞれの視点のレポートをお楽しみください。

morihirok(Speaker)

印象に残ったセッション:

5年間のFintech × Rails実践に学ぶ - 基本に忠実な運用で築く高信頼性システム

Fintechとタイトルにはありますが、どのような性質のWebアプリケーションにおいても考えなければならないトピックばかりで、もちろんSTORESも立ち向かい続けている課題で、とても共感しながら聞いていました。day2でohbaryeさんとランチをご一緒して、より具体的な方法だったり組織づくりだったり、いろいろな話しができたのがとても楽しかったです。

出来事:

Sidekiq その前に:Webアプリケーションにおける非同期ジョブ設計原則 の登壇

この発表は hogelog さんや shia さんと一緒のチームで働くことになってから、非同期ジョブについていろんな観点や技術的な知見を教えてもらう中で、「これあんまり体系的に整理されていない知識だな」と思っていたのが発表のスタートでした。

その中でも sorah さんの https://diary.sorah.jp/2024/01/19/doubt-async-user-actions の記事に影響を受けていて、これを改めて自分の実体験から話すぞ、というのが裏テーマでした(この記事自体も hogelog さんに「これ読んだらいいですよ」と紹介されたものでした。)

なんですが、発表の中にこの記事の引用を含めるのがすっかり抜けていて悔しい気持ちなので、ここで改めて紹介させてください。

また、発表中で Non-Blocking I/O モデルのWebサーバについては「そういうのもありますがこの発表では触れません」という扱いにしたのですが、Day2 の Samuel の Keynote の内容を踏まえると多少は触れておいたほうがKaigi全体でつながりが生めたなという後悔もあります。

いろいろ後悔について話しましたが、ずっと話したいなと思っていたカンファレンスに登壇できてとても嬉しかったです!お疲れ様でした!

speakerdeck.com

hogelog(Speaker)

印象に残ったセッション:

いずれの話も背景にはAI-basedな遅い処理を非同期処理ではなく同期的に処理していきたいということがあるかと思う。そんな課題に対しasync gemをどのように活用したか、効果を発揮したかという話を聞けた。あらためて現代のRailsアプリケーションは並行処理モデルで実行すべきか考えさせられるセッションでした。

出来事:

"複雑なデータ処理 × 静的サイト" を両立させる、楽をするRails運用 の登壇

https://rubycontributors.pages.dev/ の話をしました。ふとこっそり作ってたものだったので、この機会に話せてよかったです!

これは登壇前自撮りを撮られてる写真

speakerdeck.com

Satomi Nishiyama

印象に残ったセッション:

Railsによる人工的「設計」入門

“いきなり実装” しがちなので、耳が痛くて勉強になりました。設計段階では具体的に考えすぎず、まずは抽象的に考える、というのはある意味気が楽でもあるので、抽象化を意識して改めて設計に向き合おうと思います。

出来事:

9月15日に入社したばかりで参加させていただき、社内外の色々な方とお話できて楽しかったです。社内メンバーが登壇する環境は刺激的で、morihirokさんの発表は非同期処理の原則を分かりやすく理解できて今までの仕事がつながった感じがあり、hogelogさんの発表では静的な盆栽Railsアプリを試してみたくなりました。

otariidae

印象に残ったセッション:

Keynote: dynamic!

ハッピーパスから動的につくっていく、という話がとても刺さりました。直近の開発でまさにその逆をやらかしたからです。最低限の動くものを初めにつくる、は昔から言われていることではありますが、目の前の仕事に気を取られてるとつい忘れてしまいます。AIに詳細設計とか実装計画をやらせたら、バリデーションやエラーハンドリングを最初から充実させちゃったりとか。もっとやわらかくつくることを心がけていきたいと思いました。

出来事:

  • わいわいルームや懇親会で何人かとお話できて楽しかったです
  • 2ヶ月後のSTORES Tech Confも負けじとがんばろうという気持ちになりました

mase

印象に残ったセッション:

Railsによる人工的「設計」入門

  • 教える側と教わる側でそれぞれの視点で具体例を交えて説明してくださったので、とても理解しやすかったです。
  • 私は教わる側の立場で、教える側がどう考えて教えてくれていたのかを知ることができて新鮮でした!
  • 「設計はコードを考えることではない」というお話が特に印象に残りました。普段ついコードから考えてしまっていたので、今回学んだ完成系から逆算して考えていく設計を実践したいと思いました!

出来事:

  • 2日目のランチの STORES CAFE for Women で「Rails Girlsの主催をやってみたい」という方がいて、主催経験者の方が具体的にアドバイスされていて、実現に向けて現実味が増していく様子がとても素敵だなと思いました!
  • RubyKaigiや別のイベントなどで出会った知り合いと偶然会えてお話しできて嬉しかったです!

Takaya Ebino

印象に残ったセッション:

避けられないI/O待ちに対処する: RailsアプリにおけるSSEとAsync gemの活用

内容:

避けれないI/O待ちに対処する際の対応例

  1. リクエスト記録+後続Job実行
    • Pros: ユーザーは即完結できる。重い処理も気にならない。
    • Cons: Job基盤やリクエスト管理、結果表示の仕組みが複雑になる。
      • Consの詳細はmorihiroさんの発表内容で詳細がある
  2. API内で処理完了まで待機
    • Pros: 実装がシンプル。
    • Cons: ユーザーが待ち続ける必要があり、5秒以上かかると切断されやすい。
      • ユーザーは1秒でも長いと感じるし、5秒以上だと切断の可能性も上がりUX観点ではかなり悪い
  3. 今回の紹介されたアプローチ:SSE(Server Side Event)
    • 仕組み: クライアントがリクエストした時点でサーバーと接続を維持し、サーバーから進捗や結果をイベントで返す。
    • Pros: 長い処理でも進捗を伝えられ、UXを維持できる。
    • Cons: 一般的ではない形式のため、動作検証やリバースプロキシ(nginx等)での対応が必要。  

感想:

  • 「避けられないI/O待ち」にどう向き合うかというテーマが実務に直結していて興味深かった。
  • Job非同期化やAPI待ちなどの「よくあるパターン」の整理がわかりやすく、自分の開発でも同様の機会があればぜひ考えてみたいと思った。
  • 特に SSE(Server-Sent Events) をRailsアプリで活用する実践的なTipsが印象的だった。リクエストをただ待たせるのではなく、進捗をユーザーに返せることで「待たされている」体験を改善できる点が魅力的。

HolyGrail

印象に残ったセッション:

出来事:

  • 興味深いセッションが多く、見れなかった裏番組がとても多かったです
  • 開発現場のイマと向き合う発表が多く、例年以上に感想戦の盛り上がる Kaigi on Rails でした

ko1

印象に残ったセッション:

  • Keynote: dynamic!
    • 「プログラム書いてると気づくよね~」という点について、懇親会でも聞いたんだけど、AI 使うとどうなる、って話をさせてもらって興味深かったです。QAの人大事だよね、という結論だった気がする。
  • Keynote: Building and Deploying Interactive Rails Applications with Falcon
    • 凄い馬力。Shopify での利用方法とかを後で聞きましたが、発表中の雰囲気とは違ってた気がする。

出来事:

  • 本屋やってました(私事)。どうもありがとうございました。だけど、会自体にあんまり回れなかったなぁ。
  • ライブで見ようと思ってたけど、切れてみれないところがあって残念。

ima1zumi

印象に残ったセッション:

Introducing ReActionView: A ActionView-Compatible ERB Engine

  • これがあるとすごく開発が便利になりそう!とワクワクする発表でした。admin向け画面では素朴にViewを使うことが多いので便利な機能をとりいれていきたい。
  • PrismとNokogiriでHTMLのパースしてるのはどうやってるのか気になる。

RailsのPostgreSQL 18対応

  • 普段意識しないDBMSのアップデート内容や、それに伴いどのような影響があったのかということを垣間見れました。
  • Railsが各DBの差分をどう吸収してAPIとしているのかを知れて、そういった見せ方もあるのかと思い面白かったです。この機能を明示的に使うユーザはDBのことを熟知しているだろうからこういうインターフェースで良いと思った、という判断軸も興味深かったです。

出来事:

  • 1日目は本屋さんのお手伝いをしていました。1日目に文字符号の歴史 欧米と日本編が売り切れて一安心でした。文字コードの成り立ち、文字を符号化するとはどういうことなのかを知れるいい本なのでおすすめです。
  • 気になるセッションが多く、会社の実況チャンネルも盛り上がっていました。トークを聞いて感想を言い合ったり議論するのはとても実り多い時間になりました。

phayacell

印象に残ったセッション:

今改めてServiceクラスについて考える 〜あるRails開発者の10年〜

  • 「俺が悪かった〜」の Qiita を書いた話からはじまったインパクトがすごい
  • 直前のセッションで大場さんからパスされていた流れもあって非常に面白かったです
  • Service クラスでも Form クラスでも、それらが駄目だとかそういうことの前に、チーム開発において「共通認識」が取れており「想像がつく」ということが大事なんだという話にめちゃくちゃ同意して聞いていました
  • 我々がその前に向き合うべきことは「俺が悪かった〜」の Qiita にも書いてあるし、今回言及している内容でも触れられていて、依存方向はひとつにすべきだし、驚きは最小限に、できるだけシンプルに作っていかないとなぁ、と最近書いたコードのことを何度も思い返しました
  • 去年の島田さんの基調講演のことも思い出したり、改めて考えさせられる素晴らしいセッションでした

出来事:

  • わいわい部屋やスポンサーブースでの交流がとてもたのしかったです
  • 本屋さんでお手伝いさせてもらっていたのですが、本屋さんに来て笹田さんや島田さんとお話しながら欲しい本を手にとって買われている方たちの様子がとても良く、みんな技術が好きで Kaigi on Rails に来ているんだなぁと沁みました
  • スポンサーブースでは、イタンジさんのブースで目立っていた巨大ルーレットは表面のプリント部分だけカスタマイズして発注できて便利だという話を聞いて面白かったり、Leaner さんのブースのでっかいリーニャーちゃんが可愛かったり、dely さんのブースでやっていた「AIでCode」にチャレンジして満点を取れたり、とてもたのしみました

えんじぇる

印象に残ったセッション:

Keynote: dynamic!

  • 仕事全般において大切なことを話されているなぁと思って聞いていました
  • 「自分や周囲を含めて、変える勇気を持つ。」「最もシンプルでうまくいく」どちらもTシャツに印刷したいくらい、グッときました

出来事:

  • 「今年もTech Conf楽しみにしています!」と11月26日に開催するSTORES Tech Confについてお話していただけることが多く、準備がんばろうと心の底から思いました。
  • 本屋さんのお手伝いもしました。「積んでいるだけで得られるものがあります」と言い続けました。(もちろん私もたくさん積んでいます)
  • STORES CAFE for Women を2日間開催しました!カンファレンスに初めて参加した方もたくさん参加されていて、開催しがいがあって嬉しいな〜と思いながら、美味しいランチを食べました。
    好きなもの全部盛り

Kaigi on Rails 2026も楽しみ!

たのしい2日間をありがとうございました!オーガナイザー、スタッフのみなさん、スピーカーのみなさん、参加したみなさん、本当にありがとうございました!また来年、渋谷でお会いしましょう!