こんにちは、@tomorrowkey です。
STORES CRM モバイルチームでSTORES ブランドアプリ の開発しています。
STORES ブランドアプリ とは、お商売をしているオーナーさんごとにオリジナルアプリを作り、お客様へのクーポンの配布やお店からのご案内をとおして、双方にとってよい関係性を築いていくためのサービスです。
STORES ブランドアプリ ではオーナーさんごとにアプリをリリースしているため、おのずと普段の業務のなかでアプリをリリースする頻度が多くなります。 特にアプリを新規に公開するときのリリースは、意図しない公開を防ぐためにも、Google Playの配信方式の特性をよく理解しておく必要があります。 業務のなかでそれらをひととおり確認したので、整理しました。
- Google Playでの配信対象者の制限には「国・地域」「携帯電話キャリア」「スマートフォンのモデル」などいくつかの切り口がありますが、今回は配信方法を使った制限方法にフォーカスします。
- 2023-02-16時点での調べです。
- 今回調査した内容は実際に検証アプリをGoogle Playに公開してみて、挙動を確認したものです。
- 参考にしたGoogle Play ConsoleヘルプのURLはこちらです。
配信方法にはどのようなものがあるか
まずは全体を俯瞰してみるとGoogle Playには次のような配信方法の種類があります。
- 内部テスト (Internal トラック)
- 内部アプリ共有 (Internal App Sharing)
- クローズドテスト (Alphaトラック)
- オープンテスト (Betaトラック)
- 製品版 (Production トラック)
一番上が限定的で、下にいくほど広いユーザーに公開していくようなスコープの配信方法となります。 「内部アプリ共有」だけ少し毛色が違いますが、Google Playからアプリをインストールするという意味合いでは配信方法の1つなので、リストに入れています。
配信方法と特色のまとめ
それぞれの配信方法の特色を次の表にまとめました。
審査 | 人数制限 | インストールできる人 | |
---|---|---|---|
内部テスト | なし | 100名まで | Google Play Developer Consoleで指定したメールアドレス |
内部アプリ共有 | なし | 100名まで | Google Play Developer Consoleで指定したメールアドレス リンクからテスターになる |
クローズドテスト | あり | 無制限 | Google Play Developer Consoleで指定したメールアドレス Google Groupsに参加しているメールアドレス |
オープンテスト | あり | 無制限 1,000名以上で設定できる |
誰でも |
製品版 | あり | 無制限 | 誰でも |
内部テスト
内部テストは審査がないかわりに100名までという人数制限があります。 開発チームのメンバーなど、開発と評価のイテレーションを頻繁にまわすメンバーで使うとよいでしょう。
インストールできる人を制限する方法としては
Google Play Developer Consoleで指定したメールアドレス
と記載しましたが、これはGoogle Play上で「メーリングリスト」という場所で対象となるテスターのメールアドレスを管理する方法です。
このリストはGoogle Play上で権限を持っている人が管理します。
内部アプリ共有
「内部テスト共有」も「内部テスト」と同様に、審査が無いのと、100名の人数制限があります。
「内部テスト」との違いとしては、一時的なアプリの共有という位置づけなので、リンクからテスターに参加できたり、バージョンコードの重複が許されたりなど、イテレーションのなかで使うものというよりはスポットでアプリを共有したいというイメージがあります。「内部テスト」より気軽にアプリをデリバリーしたい場合に使用できそうです。
他の配信方法ともだいぶ違いがあるので、詳しくはドキュメントを参考にしましょう。
クローズドテスト
「クローズドテスト」には審査があり、この配信方法を使うと限定された人だけがそのアプリを使用できます。
「クローズドテスト」では、「内部テスト」と同様にGoogle Play上のメーリングリストで対象を制限できますが、Google Groupsで管理することも可能です。 Google Groupsを作成し、そのメーリングリストに参加している人がテスターとなります。
「クローズドテスト」を使えばアプリを一般公開することなく一定の人数制限を越えたテスターに配布することが可能です。
オープンテスト
「オープンテスト」には審査があり、この配信方法を使うと誰でもアプリのテストに参加できます。 テストにはGoogle Playやブラウザから参加できます。
インストールできる人を制限する項目は人数制限だけで、1,000名から人数を制限できます。指定しなければ無制限になります。 アプリが製品版としてリリースされていない状態で「オープンテスト」をはじめると、Google Playでの検索でもヒットするようになるので、一般公開をまだしたくない場合は控えましょう。製品版の公開との見た目の違いとしては、「(早期アクセス)」の文字がある程度です。
製品版
いわゆる普通のアプリのリリースです。
Google Playにアプリが公開され、誰でもインストールが可能になります。
さいごに
Google Playでの配信方法の種類について整理しました。
アプリを配信する機会というのはなかなかないものですが、STORES CRM チームではプロダクトの特性上何度も経験できます。
ただアプリ開発をするだけではなく、開発ワークフローに関する深い知識を獲得したい!という方がいらっしゃいましたら、まずはぜひTwitterにてご連絡ください 😉
まずは気軽にお話しましょう〜。