STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

認識を合わせるって難しい

この記事は STORES Advent Calendar 2023 の27日目の記事です。

こんにちは!
STORES レジ ・ STORES 予約 のモバイルアプリを開発している iOS / Android エンジニアの @satoryo056 です。

先日、新卒1年目の頃以来久しぶりにストレングスファインダーを実施しました。

上位の5つは「回復志向」「調和性」「適応性」「慎重さ」「公平性」で、問題解決に取り組んだり周囲の合意やすり合わせをしたり、状況に合わせて行動するタイプなどといった結果でした。
最近は特に、仕事をするうえで仲間と認識を合わせることは重要だと私は思っていたので、結果を通して再認識させられました。

ということで今回は認識合わせについて、私が経験したことを中心に感じたこと・考えたことを書いていきたいと思います。

はじめに

現在、私は主に STORES レジ の開発・運用するチームに所属しています。
チームの規模としては iOSアプリエンジニアが私を含めて4人、プロダクトマネージャーとエンジニアリングマネージャーが1人ずつで、別チームにバックエンドエンジニアが所属し随時連携・開発する体制をとっています。

最近は STORES レジ の枠組みを超えて、他の STORES のプロダクトに関わるエンジニアやプロダクトマネージャーと話す機会が増えました。
STORES ではプロダクトごとに開発の文化や歴史、エンジニアの考え方が様々で私の中で楽しみや面白さを感じるところの1つです。
チーム内や他プロダクトの方と話すと、私が気づけなかった目線に気づかせてくれたり、STORES レジ 以外のプロダクトの仕様を知ることができます。

一方で、私がファシリテーターを担当したミーティングでは、進め方が良くなかったために議論が進まないことがありました。

なぜうまくいかなかったか?

そのミーティングは複数のプロダクトに所属するメンバーが集まり、お互いのプロダクトについて話すという内容でした。
私はそれらのプロダクトについてある程度ドメイン知識を持っていたため、それを前提に話を進行しようとしました。
しかし、参加者全員がそれらのプロダクトのドメイン知識を把握しているわけではなく、お互いのプロダクトについての仕様を把握する必要がありました。

その場では他の参加者にフォローしてもらい、急遽プロダクトの仕様を説明する時間を設けましたが、後になって未然に防げるものだったと感じました。

認識を合わせるということ

この時私がやるべきだったのは「認識を合わせる」ことでした。

参加者が同じ目線に立って話したり聞いたりできるように、ミーティング開始前や開始直後に事前説明やフォローすることが必要でした。

そのために最初にやるべきだったのは、参加者がどのくらい情報を理解しているかを把握することです。

把握するためにはどうしたらいいかを考える中で私が1番しっくりきたのは下図のような階段のイメージでした。
ミーティングに必要な情報に応じて理解度の基準をいくつか用意して、参加者の理解度がどのくらいなのかを事前に聞いて把握することです。

厳密には情報の組み合わせがあるため理解度はより複雑な図が必要になりますが、ここでは分かりやすく理解度を階段のイメージで説明したいと思います。

下図の場合、1人は理解度3、もう1人は理解度1で2人の間で理解度に差がある状態です。

階段構造を持つ理解度のレベル

参加者全員の認識を合わせるためには、まず相手の理解度に合わせて話をすることです。
いきなり相手が知らないことを話すと理解できず困惑してしまうため、下図のように相手の理解度まで自分が階段を降りて、目線を合わせて話をする必要があります。

相手の理解度ベースで話す

相手と目線を合わせたら、今度は自分の理解度まで相手を引き上げる必要があります。
先ほど述べたような、ミーティング開始前や開始直後に事前説明やフォローすることです。

例えば口頭で話をしたり、説明用の資料やドキュメントを用意したりすることが挙げられます。
あるいはホワイトボードに書いたり、Miroのようなツールを使ってその場で認識を合わせる時間を設けても良さそうです。

相手の理解度を引き上げる

私は、これらを踏まえて初めて全員の認識が合っている状態だと思っています。
これまで参加者の認識合わせを曖昧にしたまま話を進めていたので、あのミーティングを経験してからは意識的に必要なタイミングで確認するように心がけています。

おわりに

今回の経験から、改めてチームで開発をする上で認識を合わせることの重要さを理解しました。
ここでは異なるドメイン知識を持った参加者について話を進めましたが、同じチームでも新機能の開発やプロダクトのデザイン変更などに対して仕様のすり合わせを行う場合にも当てはまります。

また小人数のチームなら認識合わせが低コストで済みますが、大人数のチーム・ミーティングとなるとその分コストが増えます。 大人数で円滑に進めるには常に参加者から質問や疑問点を解消する時間を設けたり、相談できる場を用意したりとチームにあった行動が必要になると思います。

私は率直に認識を合わせるって難しいと感じましたが、チームメンバーのことを知る機会にもなっているので、今後も忘れずに続けていきたいです。