STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

DroidKaigi 2025に登壇しました!振り返り!!

こんにちは、STORES 決済のAndroidアプリを開発しているchukaです。

12月ももう残りわずかですね…!

今回は、今年あった個人的最大の出来事、DroidKaigi 2025登壇について振り返っていきたいと思います!

はじめに

私はDroidKaigi 2025で「はじめてのMaterial3 Expressive」というセッションで登壇させていただきました。

本記事では、CfSを考える上で大変だったこと、資料を作る上で大変だったことについて述べます。

DroidKaigi 2025までのタイムライン

CfS募集〜DroidKaigi 2025当日までのタイムラインは以下のようになっています。

  • 4/25 CfS募集開始
  • 6/1 CfS募集〆切
  • 6/22 採択通知
  • 9/10-9/12 DroidKaigi 2025

CfS応募編

セッションネタ出し会

STORES では、CfS募集開始よりも前の3月頃から、 過去の採択セッションを分析したり、各自でネタ出しをしたり、CfSのレビューをしたりする時間を設けていました。

セッションネタ出し会1回目

毎週1時間、みんなでCfSに向き合う時間があり、 今振り返ると本当にありがたい環境だったなと思います。

……が、そんな中でも私は全くネタが思いつきませんでした 😇

40分のセッションというのも難しさの一つかもしれません。

この学びは40分話すことじゃないなぁ…とか、 こんなのみんな知っていて当たり前すぎるよな…とか、 考えれば考えるほど話せない気がして。

1年間しっかりお仕事していたはず。確かに学びもあったはず。

でも、それを「40分のセッション」に昇華する能力が私にはなかったのでした…。

「自分が知りたいこと」からネタを考えてみる

そこで発想を変えて、「もしこのセッションがあったら、自分は聴きたいか?」という視点からネタを考えてみることにしました。

自分の興味を書き出してみると、以下のようになりました。

  • 可愛いUIが好き
  • Material3 Expressiveが最近公開された
  • 興味はあるけど、全然キャッチアップできていない

応募セッション一覧を見てみるとMaterial3 Expressiveに関する投稿がほとんどなく、採択されてもされなくてもこれを機に勉強しよう!と思い、このテーマでCfSを書くことにしました。

セッション概要を考える

ネタが決まったので、セッション概要を考えます。

セッション概要を作る上で大事にしたのは、自分が知りたいことを詰め込むことでした。

具体的には次のように、自分の疑問や知りたいことに対して、それを解決します!というようなセッション概要にしました。

  • UI/UXが大きく変わっているけど、どう実装するんだろう?

Material3 ExpressiveでアップデートされたComponentを、実装コードと一緒に紹介します。

  • Material3と何が違うの?体験はどう変わるんだろう?

同じUIをMaterial3とMaterial3 Expressiveを使って実装し、 体験や印象がどのように変化するかを比較します。

  • Material3 Expressiveが適する例・適さない例があるらしいけど、どう判断すればいいの?

Expressiveが機能する例・機能しない例を、様々なジャンルのアプリを作って比較します。

  • プロダクト導入の判断軸が欲しい

チームで「Expressiveを採用する・しない」を議論するための観点について述べます。

結果的に、「自分の知りたいことを全部教えます!!!!」という、かなり欲張りなセッション概要になりました。

でも、

  • 自分という1人のニーズには確実に刺さる
  • 興味がある分野なので勉強していて楽しい
  • 採択されなくてもブログにできそう

と、どう転んでもハッピーなCfSが完成しました。

結果は採択 🎉 そして資料作成編

ありがたいことに、結果は採択となりました!

採択通知🎉

しかし、採択で終わりではありません。

ここからは資料作成に勤しむ日々…!

資料を作る上で困ったこと

一番困ったのは、この部分です。

Expressive が適する例・適さない例を、 様々なジャンルのアプリを作って比較します

Material3 Expressiveは、Google提供のアプリでは一部採用されていますが、実プロダクトでの事例はほぼありません。

Expressiveが適するユースケース・適さないユースケースが分析できるほど広まっていない状態なので、そんなものはいくら調べても出てきません。

私が私なりに考えないといけないのです。

しかし、私はデザイナーでなければMaterial3 Expressiveの開発者でもありません。

そんな私が、説得力のある根拠とともに、これらについて言及しないといけないのです。

いや私が一番教えてほしいが!?!?!という気持ちでいっぱいでした。

アンケートとAIを活用する

私の中だけで説得力のある資料を完成させるのは難しいと考え、社内・社外でアンケートの実施と、AIの力を頼りました。

アンケート

アンケートは社内・社外のAndroidエンジニアを中心に実施しました。

Material3 Expressiveについての印象、導入におけるメリット・デメリット、懸念点などについて、任意で回答いただきました。

その中で、以下のような意見をいただき、とても参考にさせていただきました。

・toBアプリでは表現力の豊かさより分かりやすさを重視したい

・車載アプリのような、ユーザーの注意を引くようなコンポーネントは使用するべきではないケースも存在する

プロダクトの特性によってはMaterial3 Expressiveがリスクになる可能性に気づき、適したプロダクト・適さないプロダクトとは何かについて深く考えることができました。

AI

AIについては、ChatGPTやNotebookLMを活用しました。

私は特に言語化が苦手なので、感覚的に「なんとなくこういうシチュエーションではMaterial3 Expressiveが機能しそう・しなさそうな気がする」と感じたことを、どうしてそう感じるのかを壁打ちし、言語化して自分なりに根拠を持って話せる状態まで持っていくような使い方をしていました。

24時間壁打ち相手になってくれるのでとても便利です。

登壇当日

当日はたくさんの方が聴きに来てくださって、本当にありがとうございました…!!

アンケートに協力してくださった方々、発表練習に付き合ってくれたモバイルチームのみんな、当日聴きに来てくださったみなさんのおかげで無事登壇を成功させることができました!

嬉しい感想もいただけて、素敵なヘアメイクもしてもらえて、とても楽しかったです!

登壇中の私

最後に

DroidKaigi 2025登壇の振り返りをしてきました!

カンファレンスに応募したいけどセッションネタに自信がないという方も、試しに自分が聴きたいセッションという観点でネタを考えてみてはいかがでしょうか?

確実に自分という1人のニーズがあるセッションになるし、勉強の機会にもなるので一石二鳥です!

とはいえ私も次回は実体験ベースでセッションネタを考えたいので、自分の学びを色んな視点から見る力を養いたいなと思っています。

改めまして、私の登壇に協力してくださった皆さん、本当にありがとうございました!

こちらからアーカイブを確認することもできますので、よければみてください!!

https://2025.droidkaigi.jp/timetable/945222/