STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

すぐに解決できない、整理しきれない問題を引きずって歩くための工夫【ep.10 #論より動くもの .fm】

CTO 藤村がホストするPodcast、論より動くもの.fmの第10回を公開しました。今回は STORES ブランドアプリ の開発をしているCRM本部のシニアマネージャー上杉と、ものごとを考える時にどうするのかについて話しました。

 

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MySQLでご飯を食べてきた

藤村:みなさん、こんにちは、論より動くもの.fmです。論より動くもの.fmは、heyのCTO藤村が技術や技術に関係ないことについてざっくばらんにお話しするPodcastです。今日は STORES ブランドアプリ のチームを率いている上杉さんにゲストとして来ていただきました。上杉さん、こんにちは。

 

上杉:こんにちは、テクノロジー部門CRM本部シニアマネージャーの上杉です。よろしくお願いします。

 

藤村:上杉さんのことを知らないみなさんのために自己紹介をお願いします。

 

上杉:heyに入社したのは2020年11月です。それ以前はフリマアプリの開発をやっていました。元々エンジニアをやっていて、今はマネージャーをやっています。

 

藤村:上杉さんはエンジニアの仕事だと、何が一番好きなんですか?

 

上杉:エンジニアの仕事で好きなのはバックエンドで、データベース周りをいじるのが好きですね。

 

藤村:なるほどな。MySQLですか?

 

上杉:そうですね。MySQLのことは割と深く知ってるほうだと思いますし、MySQLだけで飯を食ってきましたみたいなところがありますね。10年以上それでやってました。

 

藤村:僕は職業人生でMySQLを触ったことが数ヶ月しかないから、わからないんですよね。わからないから話が広がらないのに、話しちゃった。

 

上杉:MySQLは、なんだろうな。2001年(オープンソース化が2001年でした)とか、そのちょっと前ぐらい、Webの開発が盛んになってきた頃に主流になってきたデータベース(マネジメントシステム)ですね。一定の癖があるので、それをどうつかむかみたいなところがコツになっちゃうんですよ。だから標準SQLとはちょっと違ったコツを職業として選んでしまったので、応用がきかないかもしれないですね(笑)

 

藤村:僕は標準SQLが使えるところでしか仕事をしていないから、MySQLすごいなって思ってます。

 

上杉:プログラマのためのSQL』ですよね、あの本は名著ですね。

 

藤村:heyでは最近どんなことをしてたんですか?

 

上杉:去年はCTO室に所属して、会社の技術部門のフレームワークみたいなものを作ってました。フレームワークというと、Ruby on Rails とかそういったものを想像してしまうかもしれないですけど、そうではなく、制度みたいなものです。どんな評価制度にするのか、会議体をどうするかなど、技術にまつわることではありますが、直接技術ではないことを1年ぐらいやっていましたね。

 

藤村:そして今年からは?

 

上杉:STORES ブランドアプリ を7月(2022/7/7)にリリースしました。まずは猿田彦珈琲さんに導入いただいて、今後も色々やっていきます。


CRM本部という名前なんですが、基本的にはオーナーさん方がオーナーさんのお客さんとどういう風にコミュニケーションをしていくのがいいのか、コミュニケーションに関することを考えるのが僕らの仕事だと思っています。

この1年ぐらい藤村さんがCRM事業の技術的なサポートをされていたのですが、今は僕がシニアマネージャーとしてテクノロジー側のマネジメントを引き継いでいます。どうやって開発を進めていくのかや、メンバーの方々とのコミュニケーション、評価周りみたいなこともやっています。

 

藤村:ありがとうございます。頼もしいチームになりましたよね。

 

上杉:そうですね。新規事業と呼ばれている事業だったのですが、社内から異動で入ってきてくれた方とか、枠としては新卒なんですけど、この論より動くもの.fmでも紹介されていた平野さんが入ってこられたりして。みんなすごく頼りがいのある人が多くて、僕もやりやすくて、どんどん事業も前に進んでる感覚もあります。すごくよかったなと思ってます。

 

藤村:本当ですよね、僕も毎日よかったなと思いながら過ごしています。

整理しきれないグレーな問題を引きずって歩くための工夫

藤村:全然関係ない話なんですけど、ものの考え方?どうやってものを考えるかみたいなところの上杉さんの工夫を聞いてみたいなと思ったんですけど。

 

上杉:僕の造語なんですけど、「逆禅」っていうのをやっています。禅はどちらかというと、心を集中させて、体も動かないで、ものを考えないってことをやりますよね。逆禅は、その逆で体を動かしながら徒然にものを考え続ける、思い続けることをやります。

イメージしやすいのは、登山が好きな方は登山をしてる間、何となくぼーっと登山以外のことで頭の中が回ってたりとか。ドライブ好きな方もそういう経験があると思うんですけど、車を運転しながら、なんとなくものを考えちゃうっていうあれにかなり近い発想で。

僕らってものを考えたり、思ったりすることをかなり意識しないと止められないと思うんですね。止めるってことをあえてしないで、発散し続けることで、整理を終わらせてしまおうっていうのが僕のアイデアなんです。

ライフイベントの中で頭の後ろにこびりついて常に考えを回らせてしまうような出来事ってあると思います。例えば、僕の場合だと、親が年を取っていて、病気がちだったりします。そういう思いってのは常に頭の後ろにあるんですけど、そういうのは一旦思いつくす。思いつくした中で、健全に自分がどうするかを考えます。大事なのは体を動かしておくことですね。体を動かさないと、思いすぎちゃって辛くなっちゃうので。

 

藤村:片付けを全部終えるみたいな感じだ。

 

上杉:そうですね、かなりニュアンスが近いと思います。夜にあえてドライブに行ったりして、この逆禅をやったりすることもあります。もうひとつの方法として僕は歩け歩け地獄と言ってるんですけど、10km近く歩くんですね。その間、ひたすらぼんやり思い続けるってことをやったりしますね。

 

藤村:弊社の社長である佐藤裕介さんもすごい歩いてるって言ってましたね。こういう目的なのかわかんないですけど。僕はそれをデフラグって呼んでました。

 

上杉:ああ、感覚的にはかなり近いですね。

 

藤村:デフラグがマジで進んでないから、ちょっと休まないとなぁみたいなことを思っていました。

 

上杉:そうだと思います。マネジメント業務に一定の時間を使っていると次々と問題が降ってくるじゃないですか。しかも半分以上は今すぐ解決できない、それを長く抱えなきゃいけないって状態があるんですね。30代を過ぎてからの人間の価値ってそういうグレーなものを引きずって歩けるかどうかってところがあると思うんですよ。そういう整理しきれない問題を引きずって歩くための工夫が、デフラグみたいなものだと思いますね。スペースを省略できますもんね、デフラグすると。

 

藤村:お片付けとかデフラグって呼んでましたね。

 

上杉:その感覚ですね。

 

藤村:名前を「マインドレスネス」にしたらどうですか。

 

上杉:(笑)ちょっと売れそう。本のタイトルによさそうですね。藤村さんもよく散歩されてるって、昔言ってましたよね。

 

藤村:僕は空き時間を作るようにしてますね。なんか決めないといけないこととか、課題はわかってるけど、整理が追いつかない、どう解決するのか、すぐ答えが出ない。答えを出すために自分に自由時間を与えるみたいなのはよくやっていますね。

 

上杉:シャワーを浴びてる時やお風呂に入ってる時にいいアイデアが思いつくとかっていう話もありますよね。

 

藤村:完全に無みたいな状況、本当に何もやってない静止状態だと全然考えが進まなくないですか?

 

上杉:それはあると思います。歩いて、うろうろしたりしてるといいって言いますよね。景色が流れてるとか、体が動いてる状態で、ものを考えるのがいいのかなって思う。その動きを止めた時に、一旦その考え自体をリセットできるってこともありますよね。

 

藤村:ちなみに、やる前に準備しますか?

 

上杉:ああ、しないですね。本当に徒然なるままに恥ずかしいことまで考えたり、思い出すんですよ。例えば中学生の時に女の子に告白してうまくいかなかった話とか、自分が赤面しちゃう話もちゃんと持ってくるっていうのが大事だと思っていて。焦点を絞らないっていうのが僕にとって逆禅の意味だと思うんですよね。

 

藤村:僕はそれで言うとたまに準備してて。前提とか、そもそもどういうことが課題なのか、解かないといけない問題なのかは書き出してから出かけますね。ああもうこれ、後は考えればいいだけだけど、全然わからないってなったら出かけるかみたいな。

 

上杉:すごく大事ですよね。藤村さんがやっているのと、僕がやっているのは方法は同じだけど、ちょっとだけコンセプトは違うのかなって気はしてて。僕は感情の整理のためにやっているところが大きくて、藤村さんはロジカルな答えを見つけるために体を動かしてるってのが面白いなと思いました。

 

藤村:そうですね。てか、これってそもそも何だっけ?ていうのを考えるためにやったりしている。

 

上杉:ひとつ思うのは、藤村さんってゴールにダイレクトに行かないじゃないですか。まっすぐいかないでいろんなこと考え尽くしてから、ゴールに行く人だと思ってるんですよね。

 

藤村:ああ、そうかも。

 

上杉:だからそういう考え方がスタイルとしてあってるんじゃないですかね。僕は論理的に考えるとむしろ書くだけですね。極力まっすぐ行っちゃう。ゆえに考慮漏れとかも多いんですけど。

 

藤村:僕は寄り道を意図的に多めにするようにしているかも。

 

上杉:寄り道を多くするときは、散歩メソッドが効くような気がしてます。散歩メソッドって(笑)逆禅って言ってたのに。効きそうな感じがしますね。

 

藤村:なるほどな。

 

上杉:考えを広げる時にはいいですよね。

 

藤村:あとはもう時間がないんですけど、デフォルトモードネットワークって知ってますか?

 

上杉:なんかネットワーク的なことだっていうのは今わかりましたけど。

 

藤村:脳がものを考えていない時も、ものごとを整理しているらしいですよ。ぼんやりしている時とかに、色々処理するところがあるらしくて、そういうのを脳科学的にはデフォルトモードネットワークというらしいです。

 

上杉:ぼんやりしてる時間は大切って言いますもんね、それこそデフラグ的な。睡眠時間もそうですしね。

 

藤村:でも、ぼんやりしてるわけではないですもんね?

 

上杉:どちらかというと、その間は頭のデーモンプロセスにすごくメモリを取られてますね。

 

藤村:全力でいくあてもなく考えるって感じですよね。

 

上杉:まさにその通りですね。

 

藤村:もう時間なんですけど、締め方がわかんなくなっちゃったな。こういう話を踏まえて僕らが逆禅だったり、デフラグだったりを、これからやるんでしょうね。

 

上杉:そうですね。

 

藤村:アジェンダが脳内にありますよね。

 

上杉:アジェンダ、たまってますね。

 

藤村:消化が必要ですね。ということで、ということがどういうことなのかわからないままバラバラと話してしまったんですけど、ものを考える時ってどうやってるんだっけという話を上杉さんとして、楽しかったです。論より動くもの.fm、今回はこのへんでおしまいにしようと思います。みなさん、さようなら。

 

上杉:さようなら、ありがとうございました。(完)

 

 

次回の更新もお楽しみに!