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STORES Tech Conf 2024 "New Engineering"の映像制作の裏側【ep.32 #論より動くもの .fm】

CTO 藤村がホストするPodcast、論より動くもの.fmの第32回を公開しました。今回はSTORES Tech Conf 2024 New Engineeringのデザインを担当した遠藤と音楽を担当したykpythemind(以下、ykpy)と話しました。

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キービジュアルがカンファレンスをリードしていった

藤村:こんにちは、論より動くもの.fmです。 論より動くもの.fmは STORES のCTO 藤村が技術や技術じゃないことについてざっくばらんに話すポッドキャストです。先日 STORES でNew Engineeringというテックカンファレンスを開催しました。そのデザインを担当した遠藤さんと、動画の音楽を担当したykpyさんに来てもらいました。 遠藤さん、ykpyさん、よろしくお願いします。

遠藤・ykpy:お願いします。

藤村:一言ずつ自己紹介をお願いします。

遠藤:コミュニケーションデザイナーの遠藤です。

ykpy:ソフトウェアエンジニアをしております、ykpyといいます。

藤村:New Engineeringが終わったんですけど、どうでしたか?

遠藤:私は当日午前中会場に着くまで、発注した物が全部届くかどうか不安すぎたので、全部あったときはすごい良かったなって気持ちでしたね。

藤村:物、いっぱいありましたもんね。

遠藤:追加で作らせてもらったものとかもあったので。不安でした。

藤村:ykpyさんは?

ykpy:遠藤さんや藤村さんは準備からやっていて、会場の下見やもろもろされていたと思うんですけど、僕は本当に当日行くまで音楽以外はノータッチだったので、どんな感じになってるんだろうと思っていたんですけど、想像の50倍くらいクオリティが高くて、めちゃくちゃ楽しかったです。

藤村:今日は内容の話もすると時間が終わっちゃうんで、主にデザインやクリエイティブのことを話したいんですけど、かっこよかったですよね。

ykpy:遠藤さんに作ってもらったビジュアルがめちゃくちゃ STORES らしい感じがして。ちょっとクールなのもすごく良くて、好みの話なのかもしれないけど、あれによってかなり雰囲気も締まって良かったなって思ってますね。

藤村:遠藤さんはあれをどんな考えで作ったんですか?

遠藤:今回のカンファレンスの名前がNew Engineeringと決まって、そこからデザインチームでどんな感じのコンセプトがあるかを考えて3案ぐらいになりました。3案どれも黒がベースになっていて、そこだけは最初から決まっていました。デザインチームで今回黒ベースがよさそうという話をしました。デザインが決まった後は、カンファレンスまるごとデザインするっていうのは今回初めてだったので、全体の統一感がちゃんと出るように気をつけていました。

藤村:最初はコンセプトから考えるんですね。僕がこういう感じのカンファレンスにしたいって話を初期の頃にしたじゃないですか、でも、それだけだと多分作れないんだろうなと思っていて。グラフィックデザインをするにあたって、持ち込む要素があるんだろうけど、そういうのってどんなふうに考えているんだろう?

遠藤:人によるかもしれないんですけど、私は言葉とか材料がいっぱいあったほうが作りやすいタイプなので、今回のカンファレンスをどういうものにしたいかをえんじぇるさんがまとめてくれた資料を読みました。あと、去年エンジニア組織のイメージを刷新したいという話が別にあって、その時に聞いてた話を思い出したり。New Engineeringっていう言葉に決まったので、Newってなんだろう とか、STORES のテックカンファレンスなので、STORES ってどういうところなのか、エンジニアリングってどういうことなのかを自分なりに考えて、キーワードをいろいろ出してって感じですかね。

藤村:会場で初めて全部ができあがった状態が見えるわけじゃないですか、仕上がりを見てどうでした?

遠藤:やっぱり迫力あるというか、ロールアップバナーとか思っていたより大きくてびっくりしました。制作したものを置いてみるとカンファレンス感が出ていいなって思いましたね。

藤村:そうですよね、設置して決まったみたいな感じ。

遠藤:ポスターが揃ったり、Tシャツを着てるスタッフがいたりとか。

藤村:今回、僕はカンファレンスの数多くのところに関わっていたんですけど、キービジュアルができてより発想が広がった。このカンファレンスはこんな感じになるんだなっていうイメージがキービジュアルでリードされた部分もあって、これはima1zumiさんがコンテンツ選定のリードをしてくれている時にも思ったんですけど、みんながそれぞれで作ってるものでコンセプトが肉付けされて、進化して変わっていくのが面白かったですね。それが最終的にあんな感じに仕上がったのは、マジでよかった。いい仕事の仕方、いい作品の作り方ができたんじゃないかなって思いました。

音楽が先にできた。以心伝心で生まれたオープニング動画

藤村:カンファレンスのはじめに流すオープニング動画とか各トークの前のアタック動画があったんですが、これを作った経緯やどんなふうに作ったかを聞きたいです。

遠藤:動画自体はカンファレンスにはあるイメージでした。初期のキックオフで今回のカンファレンスで何がしたいかという案出しをみんなでやっていたときに、音楽と動画は自分も案として書いたとは思うんですけど、他の方も書いていたかもしれないです。それもデザインチームであるといいよねという雰囲気はあったのかな。最初は外注で作るのもありかもと思っていました。

藤村:いつからか自前で作ろうとなったわけですね。

遠藤:そうですね。実際に何を作っていくかを考えたときに、予算に上限があるので、外注費としてとっておいた費用を制作物に使えたほうがいいんじゃないかとなって、動画もちょっと頑張ってみようとなりました。

ykpy:生々しい話でいい。

藤村:こういうのが一番面白いんだよな。もともと動画制作もやっていたんですか?

遠藤:動画は全然やったことなくて、興味がある程度ですかね。

藤村:まじか。初だったのか。

遠藤:ほぼ初。Adobe After Effectsっていう動画制作ソフトを使ってるんですけど、触ったことはあるし、軽い編集ぐらいはしたことがあったんですけど、今回ぐらいのものは作ったことはなかったですね。なのですごく調べながら作ってました。

藤村:大変でした?

遠藤:大変でしたね。どうやって動画を作るのかがよくわかってなかったので、他社さんのカンファレンス動画を見て、こういう感じのものがほしいなって。ykpyさんに音楽を依頼したときも、カンファレンスのこういう動画を作りたくて、それ用の音楽がほしいですってお願いをしたんですけど どうやって中身を作っていけばいいのかは全然わからなかったので、 ykpyさんの音楽を元に動画を作るというやり方をしました。

ykpy:実は音楽を作ってるときに動画はなかったんですよ。

藤村:そうなの?そういうこと!?

ykpy:僕が(動画のイメージを)エスパーしました。でも、キービジュアルと静止画はあったので、そこからイメージしてこんな感じだから、ここで動きが入ってくるよなと想像して。あとは尺が40秒くらいだったので、詰めていって、この山っぽいビジュアルが動くんだろうなとかそういうイメージベースでとりあえず作って。いくつか送って、遠藤さんに選んでもらって、動画が来たときには自分の思っていたイメージとばっちりハマった感じがして、実はここが僕のNew Engineeringの最高潮だった。めちゃくちゃ面白かった。

遠藤:そう言ってもらえてよかったです。ちょっと以心伝心じゃないですけど、面白いですよね。

ykpy:僕と遠藤さんは全然一緒に仕事をしたことなくて、SlackのDMだけでひたすらラフを送るという制作をしてたから、面白かったですね。本当に遠藤さんは社内にいるのかなって思いながら。

遠藤:私はykpyさんの存在は知ってたし、一回喋ったときのことも覚えていたし、音楽を作る人っていうのも少しは知っていましたけど、仕事はしたことがなかったですね。

音楽のラフといっても、ほぼできているものを8月の上旬に一回受け取って、そこからはそれを聞いて、一生懸命イメージして、ここら辺はこういうのが合いそうみたいな感じで。After Effectsに音楽を配置して、あとは素材を少しずつ埋めていきながら作っていきました。動画のラフを8月末くらいにykpyさんにお見せして、さっきの「あ、イメージが大体あってる」みたいなことがあって、音楽をブラッシュアップしてもらってて、映像もそれに合わせてちょっと変えて完成という感じでした。

藤村:ykpyさんの方に動画が返ってきた時はどうでした?音楽を変更したところがあると思うんですけどそれってどういう感じだったのかな。

ykpy:だいたい思った通りになっていて、前半パート後半パートと分かれていて、後半部分から音楽が盛り上がるんですけど、後半の情報が出てくる前のところに「START」という文字が出て、スタートって感じになるんですよ。動画で見たらスタートっぽい音を入れたいなって思って、ゲームのスタートっぽい音を入れたのが大きい変更ですね。会場で見たらスタートしたなって感じになって、すごい良かったですね。締まった感じがしました。

遠藤:良かったなって思いました。

藤村:キービジュアルから音楽ができて、そこから動画ができて、それで音楽がアップデートされて動画ができあがるっていうプロセス。僕は動画がある程度できた上で音楽を頼んでいるのかなと思ってたから、そうではなかったんだっていうのが驚きです。この作り方は面白すぎるでしょ。

遠藤:多分正しくはないと思うんですけど。普通は絵コンテを書くと思うんですけど、何を書いていいのかよくわからないし、正直自分がどこまでできるのかがわからなかった。限られた時間内で表現的にできることできないことがどうしてもあるので、それを探したり、やり方を調べるのに時間がかかることがわかっていたので。 あと音楽を作るのにどれくらい時間がかかるのかも全くわからなくて、先に依頼しておきたかったっていうのがあるかもしれない。作るのが大変だったのはちょっと申し訳ないんですけど、本当に作っていただいてすごく助かりました。

ykpy:すごいですね。メタ的な意識を持ちながらやってるのがすごいなって思いました。

遠藤:あんまり良くないのかもしれないですけど、やったことないことだからこそ、これならなんとかなりそうを組み合わせてたっていうのがあるかもしれない。

ykpy:Xを見てても、めちゃくちゃビジュアルが好評で、しかも社内の人が作っていると全く思われてなくて、逆にもったいなかったなって感じがありますよ。外注したと思われていて、すごい驚かれる。

遠藤:ちょっと嬉しいですけどね。

ykpy:いやーそうですね。

藤村:社内で作ったんですよっていうと、異常に驚かれることが多かったですね。

遠藤:音楽もそうだろうなって思います、音楽も作れる人がいるんだって。

ykpy:いましたね。

藤村:すごいなぁ。ちょっと思ったんですけど、動画ってのは、キービジュアルという一平面ができて、それを時間的に引き伸ばすっていうことではあるじゃないですか。それを一旦音楽だけで時間を引き伸ばして、視覚的なものを後から埋めるっていう仕事の仕方って、それはそれで合理的というか、芸術で考えるとありそうなプロセスだなと思ったな。

ykpy:先に時間っていう次元が広がってっていうのはそうですね。めちゃくちゃいいビジュアルだったし、あれがもうちょっとポップな感じだったら、逆にすごい難しかったかも。ちょっとストイックな感じのビジュアルだったので、わりと得意な感じでやれました。

来年はコンピレーションアルバムを作りたい

藤村:最後に聞いてみたいことがあって、次はどういうふうにしたいですか?最初にコンセプトがあるわけじゃないですか。来年もNew Engineeringで、今年とはノリは違うかもしれないけど、来年もやるんだったら、こうあるべきとか、趣旨をあんまり考えずに好きに作っていいんだったら、次はどんなふうにしようかなとかありますか?

遠藤:ykpyさんが音楽をもっと作って、コンピアルバムって言ってましたね。

ykpy:そうそうそう。音楽を作って、遠藤さんにも動きを作ってもらって。今回会場のBGMを作ったんですけど、3分ぐらいのループで1種類しかなかったので、それがずっと流れていました。それでもよかったんですけど、BGMもバリエーションがほしかったなという気持ちがふつふつとわいてきて、あと2曲ぐらい書いておけばよかったなって。その辺を拡充して、テーマとかも作るとコンピレーションアルバムできるから、New Engineeringコンピを作って配信するという謎の野望が懇親会で生まれました。あと遠藤さんがビジュアルを作って動かしてくれるので、それをVJしながらNew Engineering ライブができるなって。勝手にクリエイティブ側で広がってるという。

藤村:いいな。

遠藤:アルバムを出すなら、物理のものもほしい。CDジャケットを作りたい。

ykpy:そうなってきますね。

遠藤:そうなります。

ykpy:作りたいですね。

遠藤:そういうの楽しそうですね。

藤村:じゃあ来年はカンファレンスと同時にコンピレーションアルバムのCDを会場で手売りできるようにする。

ykpy:あと遠藤さんにVJしてもらって。

藤村:懇親会でVJがあるのあつすぎる。 ということで、今日はNew Engineeringのデザインを担当したデザイナーの遠藤さんと音楽を担当したykpyさんに来てもらいました。ありがとうございました。

遠藤・ykpy:ありがとうございました。

藤村:#論より動くもので感想をお待ちしてますので、ぜひXでのポストもお願いします。論より動くもの.fm、この辺りで終わりにしようと思います。みなさんごきげんよう。(完)

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