こんにちは。STORES 開発企画室の上杉です。
なんとなく個人的なテーマで、生成AIの利用を社内に広めたいと思っています。この度、Courseraで公開されている Generative AI for Everyone という生成AIのコースを受けてみたので紹介してみたいと思います。
はじめに
Courseraはオンライン教育プラットフォームの一つで、2012年にスタンフォード大学のコンピューターサイエンス教授である Andrew Ngさん が始めたプラットフォームです。Andrew Ngさんは深層学習の分野でGPUの活用を提唱した人物であり、数年前にはこのプラットフォームでMachine Learningのコースを提供し話題になりました。私も以前Machine Learningを受講し、機械学習に関する理解を深めることができました。
ここ数ヶ月の生成AIの変化は非常に速く、追いつくのもやっとの状態です。大きなところだけでも次のようなアップデートがありました。
生成AIを使うというだけであれば、Machine Learningを学ぶことより、はるかに容易であることは想像に難くありませんが、現在の生成AIを取り巻く環境下で、開発者が生成AIがどういうもので、いかに使いこなし、製品に応用していくのかを素早くキャッチアップしていくことは課題であると感じます。
インターネット上にはさまざまな情報がありますが、散文的で何をどの程度学べば良いのか、決して体系的とは言えない状況です。そこで、ここまでの自分の知識の総括や、良い学習ソースを探索するという意味も込め、Generative AI for Everyoneを受講してみました。
講座の概要
この講座はAIに関して全く知識のない方でも理解できる「すべての人のための生成AIリテラシー講座」といった感じのコースでした。こういった内容をおよそ5時間のビデオ講座といくつかの小テストを通して、3週間でマスターするというものです。基本的には英語のコースですが、自動生成された日本語のキャプションやテキストがありますので、英語が苦手な方でも受講できると思います。
カリキュラムの構成としては
- 第一週: Generative AIの基本概念
- 第二週: 代表的なGenerative AIツールとその応用例
- 第三週: Generative AIの潜在的な影響と倫理的考察
となっており、基本的な利用方法から、普段の仕事や製品への応用、社会と生成AIの関係といったような、しっかりと利用者としての基本を身につけられるような内容でした。
気づきや学び
途中にはdeeplearning.ai上にある実行環境でPythonの簡単なコードを実際に変更し動かしてみるといった、プログラマー以外にはテクニカルな内容も含まれていました。また、どのような仕事に生成AIを活かすべきかの指針やそのプロジェクトをどのように整理していけば良いかなど、簡潔ではありましたが「なるほど」と膝を打つようなプラクティスがいくつもありました。
また、いくつか金言のような深い洞察もありました。
「AIがX線画像の分析が上手くなり、放射線科医は職を失うのではないかという懸念があったが、実際には職を奪われてはいない。放射線科医はX線画像の分析以上のことをしている。例えば、画像処理ハードウェアを操作したり、患者や他の利害関係者に検査結果を伝えたり、処置中の合併症に対応したりです。」
しかし、スタンフォード大学の放射線科教授であるカーティス・ラングロッツさんは次のように言ったそうです、「人工知能が放射線科医に取って代わることはないが、人工知能を使う放射線科医は、そうでない放射線科医に取って代わるだろう」と。
これは我々アプリケーションエンジニアに置き換えても意味が通じる話だと思います。これから数年の間に、プロダクト開発者がAIに取って代わられることはないが、AIを使うプロダクト開発者に取って代わられるでしょう。
まとめ
この講座はエンジニアでなくても理解できますし、プロダクトマネージャーといった職種の方々や、なんらかのオペレーションの最適化などを考えている方にとって非常にためになる情報を得られると思います。
ぜひ皆さんも受講してみてください。