STORES Product Blog

こだわりを持ったお商売を支える「STORES」のテクノロジー部門のメンバーによるブログです。

WWDC24 に現地参加しました

はじめに

こんにちは、STORES レジ予約アプリのエンジニアをやっている @nekowenです。
私は2024年6月8日から6月15日の間 WWDC24 に現地参加のためサンフランシスコへ渡航しました。

本記事では現地入りする前の事前準備から、一連のイベントを終えるまで、まるっと雰囲気や内容を写真付きでご紹介いたします。

WWDC とは

WWDC(Worldwide Developers Conference) は Apple が毎年開催するテクノロジーカンファレンスです。
最新テクノロジーや OS、API のアップデートについて基調講演が行われるほか、Apple のエンジニアと話したり、他のデベロッパーと交流する機会が得られます。
イベントはオフライン + オンラインの同時開催で行われ、オフラインは三日間、オンラインは一週間行われます。

オフラインはカリフォルニア州クパチーノ市にある Apple 本社の Apple Park で開催されます。参加にあたっては事前に抽選への申し込みが必要です。

事前準備

自分は運良く WWDC24 の抽選参加に当選し、招待メールを受け取れたのでその日から海外出張の準備を始めました。

まず一番最初にやらないといけないことは、航空機のチケットと現地ホテルの確保です。特にホテルの確保は最優先で行いました。WWDC24 需要により良い場所のホテルはすぐ埋まるか価格が高騰するからです。

私は予約サイトを使って航空チケットの確保、ホテルはサニーベールにあるホテルを予約しました。

サニーベール周辺は Apple Park からも比較的近く、飲食店やスーパーマーケットもたくさんあり利便性が高いエリアです。現地では水や食料の確保のために買い物をする必要性も出てくるため、お店が集まる近くのホテルをとると尚良いでしょう。

さらに現地ではノートPCやスマホなど通信機器を使うことから、安定したネットワーク環境が必要です。事前に海外専用Wi-Fiルータをレンタルして空港で受け取れるようにしました。

最後に忘れてはならないのが海外旅行保険の契約です。 海外では自由診療が多く、万が一病気や怪我をして現地の病院にかかると莫大な医療費がかかるケースがあります。他にも海外では盗難や事故といったケースもあり得ます。 これらのリスクヘッジとしても海外旅行保険には入っておくと良いでしょう。

手持ちのクレジットカードに付帯しているので不要というケースもあるかもしれませんが、十分な補償が得られるかどうかは事前に確認が必要です。

私の場合は、クレジットカードの付帯内容では不十分でしたので別途 Web 専用の海外旅行保険を契約しました。

6/8:サンフランシスコ空港へ到着

WWDC24 イベント初日は 6/9 から開催されますが、
長時間のフライトと時差ぼけを考慮してサンフランシスコに前乗りしました。

当初の計画では公共交通機関を乗り継ぎホテルに向かう予定でしたが、当日電車が終日運休であったため、Uber で直接向かうことにしました。

公共交通機関を使うと2時間かかるところ、車移動では30分で着いたためホテルのチェックイン時間にまだ余裕がありました。 そこでスーツケースをホテルに預け、お昼を食べにファーストフード店に寄ったり、日本でも馴染み深いコンビニで買い物をしていました。

日本でもよく見るあのコンビニ

チェックイン時間になりホテルで少し休憩したあと、夕方から現地で開催される日本コミュニティの飲み会に参加しました。 Xでよく見かける著名な日本人デベロッパーや、try! Swift で登壇された方など、さまざまな方が参加されており、歓談を楽しみました。

6/9:Welcome Reception へ参加

6/9 15:00 から Apple Infinite Loop で Welcome Reception が開催されました。 Welcome Reception に参加すると、WWDC24 への事前チェックインと参加者同士での交流が可能です。

会場に到着するとすでに長蛇の列ができており、入り口に向かうまで20分ほどかかりました。

セキュリティチェックとして所持品やカバンの中身のチェックを受けた後、Apple Wallet に登録していた WWDC24 のチケットを提示しチェックインを済ませました。

チェックイン時に WWDC24 の個人タグとノベルティを含んだバッグを受け取りました。中身は写真のように、レジャーシート、ウォーターボトル、バッジが入っていました。

Infinite Loop キャンパスへ入場すると、すでに多くの方がドリンク片手に歓談をしていました。会場内では無料のドリンクや軽食が提供されており、ID チェックを受けることでビールなどのお酒もいただくことができます。

会場内では大半が外国の方でしたが、日本人デベロッパーもちらほらおり、色々な方と技術的な雑談をしました。
また途中台湾から来たエンジニアとも知り合い、WWDCに期待していることやプロダクトの話で会話が弾んだりもしました。

6/10:基調講演

この日は WWDC24 メインとなる日で、朝から晩までイベントが詰まっていました。

当日のイベントスケジュールは以下のとおりです。

  • 8:00 チェックイン & 朝食
  • 10:00 基調講演
  • 12:00 お昼
  • 13:00 Platforms State of the Union
  • 14:00 Discover Apple Park & In Person Labs
  • 18:00 Developer Reception

チェックイン & 朝食

8時ごろに会場入口に到着し、セキュリティチェックを受けて Apple Park に入場しました。 基調講演が行われる会場までは5分ほど歩いたのですが、その途中に 基調講演の動画でよく見る建物を実際に見て、「これが Apple Park か…!」とテンションが上がったのを覚えています。

基調講演が始まるまではバイキング形式で朝食が提供されます。小腹が空いていたこともあり、席を確保したあと朝食を堪能しました。

基調講演

基調講演では、iOS や macOS など Apple プラットフォームの新機能や最新のテクノロジーが紹介されます。
最初に CEO のティム・クック氏と上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏がステージに登場し、会場は大盛り上がり。その後、動画による基調講演が始まりました。

iOS18 や vision OS 2、watchOS など各プラットフォームのアップデートが前半で紹介されたあと、目玉機能である Apple Intelligence が発表されたときは会場内でも歓声が上がりました。

Apple Intelligence は Apple プラットフォームに統合された新しい人工知能です。ユーザーの行動コンテキストを理解し、適切なタスクを実行できるようになります。また Apple が常日頃重視するプライバシーへの配慮も丁寧に行なっており、基本的にはオンデバイスで処理できるように設計されています。

もちろん開発者向けにもAPIが提供されるため、デベロッパーもこの強力な支援を受けることができます。

Platforms State of the Union

Platforms State of the Union では、WWDC24 で発表された開発者向けの新しい API や機能についてより掘り下げた紹介がされました。

主に Apple Intelligence の導入に伴って変化するフレームワークに触れたり、Xcode 16 のアップデートの紹介や、来たる Swift 6 についての説明がされました。

特に Xcode 16 のアップデートの中で紹介された Code Completion + Swift Assist はデベロッパーにとって大変嬉しいアップデートでした。 どちらも AI を利用したコード補完機能が強化されており、Swift Assist ではさらに Xcode 上から自然言語でコード補完の指示ができるようになります。

今後の iOS アプリ開発のときに手放せない機能となりそうですね!

developer.apple.com

Discover Apple Park & In-person labs

メイン発表イベントが終わった後も、まだまだ会場でのイベントは続きます。 Discover Apple Park では Apple Park 内の建物や周辺を探索できます。

自分は Apple Park の中心地にあった虹のリングが気になったので歩いて写真を撮りに行きました。

In-person labs では、Swift 言語やフレームワーク、SDK を利用した開発上の悩みやトラブルシューティングの支援を Apple のエンジニアに直接相談できます。
会場内にはジャンルごとのエリアが設けられており、聞きたい内容ごとにエリアに向かいます。デザイン・アクセシビリティは人気のため事前予約を受け付けていました。

自分は事前にSwift 6のマイグレーションのベストプラクティスや、Core Location の挙動など、日頃聞いておきたいと思っていた内容をまとめた上で質問を投げかけました。

Developer Reception

最後のイベントである Developer Reception では軽食を楽しみながら、他のデベロッパー同士で開発やプロダクトの話で盛り上がりました。

6/11:Special Developer Activities

最終日である3日目は、Apple Developer Center で開催されました。
イベントは事前予約制で、午前・午後・夕方の3つの時間帯から選ぶことができます。自分は午後の時間帯から参加しました。

内容としては Apple Intelligence で用いる App Intents の具体的な実装方法や、Vision Pro を使ったデモが披露され、デベロッパーとして非常に興味深いプレゼンテーションを聞くことができました。

イベントが終わった後は、参加者同士、また発表に関わったAppleのエンジニアと交流の場が設けられました。 前日のイベント同様、ここでも軽食が提供されたのでおやつを片手に他のエンジニアと技術的な雑談や、発表された新 API について話し合いました。

帰る時に撮影した Developer Center 受付

その後 🌴

オフラインイベントが終わってからの数日は、WWDC24 オンラインで毎日公開されるセッションをキャッチアップしつつ、時間があれば Apple Park Visitor Centerや、周辺を少し観光しました。

Apple Park Visitor Center は誰でも予約なしで入れる Apple Store 直営店です。通常の Apple Store と異なり、Apple Park 限定のTシャツやマグカップなどのグッズが販売されていたり、カフェが併設されています。

併設されたカフェ

他にはコンピュータ歴史博物館やスタフォード大学、Intel ミュージアムにも見学に行きました。シリコンバレーならではの観光地がたくさんあるので、来年WWDCに行かれた際はぜひ立ち寄ってみてください。

コンピュータ歴史博物館

スタンフォード大学

おわりに

今回初めての WWDC 現地参加することによって、オンラインにはない会場の雰囲気や盛り上がりを体験でき、貴重な経験を得られたと考えています。
世界中の Apple プラットフォーム開発者が集い、さらには Apple のエンジニアと直接話せる機会なんてそうそうありません。言語の壁はありましたが、色々な方と話をして知識を深めることができたのは自分にとってもプラスと感じています。

最後に宣伝です。 6/26(水) 12:00からウェルスナビさん、STORES 合同で Ebisu.mobile #6 が開催されます。 WWDC & Google IO を中心としたテーマの勉強会となっておりますので、もしご興味ありましたら聞きに来てください!

hey.connpass.com

また 7/5(金) 19:00 から potatotips #88 iOS/Android開発Tips共有会 が STORES で開催されます。 iOS 登壇枠として自分が参加予定ですので、もしこちらもご興味あればよろしくお願いします。

potatotips.connpass.com